TDシネックスを支えるキーパーソンに聞く ~Part3~導入から展開、運用、処分まで、エンドユーザーが望むITライフサイクルマネジメントサービスをワンストップで提供

TD SYNNEX株式会社 プロダクトマネジメント部門 サービスソリューション本部 本部長 立原伸治

モノを売ることに重きを置く従来型ビジネスから脱却すべく、TDシネックスでは2020年12月にサービスソリューション本部を新設。IT商材の導入から展開・運用・処分まで、すべてのITライフサイクルマネジメントサービスをワンストップで提供できる体制を整え、より付加価値の高いITサービスの提供を目指しています。

今回は、サービスソリューション本部長の立原伸治氏に、同本部のミッションやビジョン、ワンストップでITサービスを提供するメリット、同業他社と比べたTDシネックスの優位性などについて伺いました。

複数メーカーの製品を横断的にワンストップで提供する新たなサービス

――立原さんのご担当領域と業務内容、取り扱うテクノロジーについてお教えください。

サービスソリューション本部は、さまざまなメーカーの機器を横断的にワンストップでサービスを提供するチームで、私はその業務全般のマネジメントを行っております。

当本部は大きく4つのチームに分かれています。まず、見積構成を作成する「ハイブリッドクラウドデザインセンター」と呼ばれるチームです。サーバー本体やストレージといったサーバー周りの製品の見積り構成を、お客様からの依頼内容に沿って作成します。

サーバー・ストレージのような製品は、かなりカスタマイズの効く製品になっていまして、たとえばCPUを2個搭載したり、ハードディスクが特殊な作りだったり、データが飛ばないような仕組みになっていたりといった形です。こうしたエンドユーザー様のさまざまなご要望に最大限応える形で、見積り構成を立てています。

2つ目は、「キッティングセンター」と呼ばれる、製品を使い始める際にセットアップをするチームです。そして3つ目は、使っているときのさまざまなトラブルなどの相談に応じる「サポートチーム」、4つ目は製品を使い終えたときに処分のお手伝いをする「ITADチーム」です。

このように、製品の提案から使い終わるまでのサービス全般を、ワンストップで提供するのが、サービスソリューション本部です。

――立原様のこれまでのご経歴と、サービスソリューション本部で活かせるスキルについてお教えください。

新卒で大手電機メーカーに入社し、10年ほど火力発電プラントのシステムエンジニアを担当していました。その後15年ほど、アウトソーシング系の会社で外資系メーカーのコールセンターやサーバー・ストレージのビジネスに関わり、その流れで2年前にTDシネックスに転職しました。

新卒で就職した大手電機メーカーは徹底したお客様第一主義で、品質管理もかなり厳しく、スケールの大きな仕事を任されていましたので、これは今でも私が仕事をする上でも基本的なベースとなっていると感じています。また、アウトソーシング系の会社では、100人超規模の小さな企業でしたので、かなり幅広い仕事を任されました。特に、外資系メーカーの業務ではオフショアなどのプロジェクトも経験しましたし、今後のグローバルなビジネス展開にも活かしていけるかと思います。

――サービスソリューション本部のミッションについて、お聞かせください。

ただ単にITサービスを提供するのではなく、世界最大のディストリビューターであるTD シネックスの一員であるという利点を最大限に活かしながら、ITサービスを通してTDシネックスのバリューを提供することを、ミッションと考えています。

これまで当社には、複数のメーカーの製品を横断的に扱ってワンストップのITサービスを提供する部署がなく、各メーカーの製品担当が必要に応じて対応している状態でした。

しかし米国では、すでに50%ほどがサービスを含むソリューション提案型の営業になっています。「SERVICE Solv」というブランドがあり、セットアップからテクニカルサポート、リユース・リサイクル、データ消去まで、一連のITサービスをワンストップで提供して成功しています。

当社も2年前にサービスソリューション本部ができ、米国の「SERVICE Solv」をお手本にしながら、ようやくソリューションカットでサービスを提供できるようになりました。

エンドユーザー様の視点に立って、ワンストップでサービスを提供することによって、「TDシネックスのサービスが良いから製品やライセンスなどを買いたい」と言っていただけるようになることを目指しています。

唯一の外資系ディストリビューターとしてグローバル展開できる強み

――ITサービスをワンストップで提供するディストリビューターは他にもありますが、競合他社とTDシネックスの違いはどこにあると思いますか?

やはり、グローバルにビジネスを展開できることではないでしょうか。当社が競合他社と違う点は、唯一の外資系のディストリビューターだということです。

当社は米TD シネックスのグループ企業であり、かつ昨年米国シネックスがTech Data社と合併したことで、世界最大のITディストリビューターになりました。

当社もその一員であることで、グローバル化がかなり進んでおります。たとえば海外にいる日本のお客様に対して、当社が窓口になってサービスを提供することも、今後は容易になってくるでしょう。

海外の優れたサービスを、当社が日本に先駆けて展開するということも可能だと思います。ITサービスを提供する上で、グローバルの連携があるということは、非常に重要なことではないでしょうか。

――サービスソリューション本部を新設してからこれまで、どのようにして事業を拡大してこられましたか?苦労した点や、それを乗り越えた体験などがあれば、お教えください。

サービスソリューション本部を立ち上げた後、まずはこれまで各メーカーの担当者が持っていたサービスの案件を引き継ぎ、それを集約して整理・標準化する作業を行いました。こうした作業というのは、結構パワーを取られるんですよね。

最近はできるだけ作業を効率化しようということで、新しいサービスを建て付けているところです。たとえばキッティングセンターでは、企業のパソコンをセットアップする際に、一台一台セットアップするのではなく、インターネットの回線につなぎ、ユーザーIDとパスワードを入力すると、必要な情報が降りてきてセットアップが完了する、モダン対応のサービスの提供を開始しました。

こうしたサービスの仕組みを作るとともに、いままでTD シネックスがやっていなかった新たなサービスも、どんどん作っていきたいと思っています。

これまで他部署でやっていた案件を整理しながら、なおかつ新しいものを作っていくので、それなりに大変な部分もあります。でも、「やっぱりTDシネックスはいいよね」と評価していただき、実際に引き合いもいただいたりしているので、少しずつ結果が出つつあります。その点では、とてもやりがいを感じています。

――新しいサービスを生み出す大変さというのはありますか?

ありますね。複数のメーカーの製品を横断的に扱う部署というのは、これまで当社にありませんでしたので、まったく新しい仕組みや考え方を作っていかなくてはなりません。どのようにサービスを建て付けたらいいか、米国とのやり取りをどうしたらいいかなど、すべて試行錯誤になります。

また、米国ではかなり幅広く「SERVICE Solv」のサービスを提供していますので、そこは大いに参考になります。お客様のご要望を、より理想的な形で提案できるソリューションも実現しています。

今後は当社もグローバルの手厚い支援を受けつつ、日本独自の充実したサービスが提供できるようにしたいと考えています。

――これまでにテクノロジーサービスを提供したお客様からは、どのような反応がありましたか?

先ほどお話しした、パソコンのセットアップのモダン対応については、かなり好評を得ています。「TDシネックスのサービスを購入したい」というお声も数多く聞くことができ、そこは手応えを感じています。

エンドユーザー様や販売パートナー様からのお問い合わせに対応するサポートチームの話によると、メーカーに縛られずに横断的なサポートすることによって、お客様の満足度も上がってきているようです。

――現在、サービスのラインアップが競合他社と比べて遜色ないレベルに揃ってきたとのことですが、今後もラインアップを充実していかれる予定ですか?

はい。チームが協力し合ってさまざまなサービスを開発し、そこでできたものを引き続きサービスのラインアップに加えていく予定です。

また、米国で先行して実施しているサービスソリューションを、日本でも早く実施できるようにしたいですね。それによって、今後少しずつ当社のサービスソリューションのラインアップが、拡充されていくと思います。

ITサービスを充実させて「Easy to Buy, Easy to Sell」を実現

――御社がエンドユーザー様にサービスソリューションを提供することによって、販売パートナー様にどのようなメリットがありますか?

当社の「Easy to Buy Easy to Sell」というキャッチフレーズの通り、当社が開発したサービスソリューションをパッケージにして提供できるようにすることで、販売パートナー様はそのパッケージを簡単に購入することができるようになります。

TDシネックスのサービスソリューションを活用していただくことによって、販売パートナー様のビジネスチャンスも広がりますし、「海外とつながる」という競合他社にはない可能性も生まれてくるのではないでしょうか。

――先ほど、米国ではサービスを含むソリューション提案型の営業が50%ほどあると伺いましたが、日本では今後どのように推移するとお考えでしょうか?

日本は今までモノにサービスを付けて売るというやり方をずっとやってきたので、サービスから入るというのは、ハードルが高いのは事実です。日本独特の商習慣の問題もあり、米国のように50%まで持っていくのは厳しいかもしれません。

ただ、10%でも20%でもソリューション提案型の営業スタイルを増やしていって、少しずつ米国に近づいていけたら嬉しいです。サービスソリューション事業部が提供するITサービスが、少しでもその手助けになったらと考えています。

また、米国の場合でも、営業担当者によって得意な売り方というのがあり、モノにサービスを付けて売るのが得意な営業もいれば、サービスから入ってソリューションにつなげるスタイルが得意な営業もいます。

自分に合ったやり方でセールスをした結果、半々ぐらいの割合になっているようです。日本の場合も、営業担当者がどちらを得意とするかによって、割合が変わってくるでしょう。

――サービスソリューション本部の、今後のビジョンについてお聞かせください。

サービスソリューション事業部のリソースも、まだまだ限られているため、これからサービス自体をもっと大きくしていかなければなりません。

それには、今後はITサービス主体型の流れに持っていく必要があります。そこを目指して、一歩ずつ前に進めるよう、がんばっていきたいと思っています。

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