TD シネックスを支えるキーパーソンに聞く~Part2~ ユーザーの要望を直接引き出し、業績貢献につながるソリューションを提案
【入場無料】TD SYNNEX主催のIT展示会「Inspire 2024」10/24(木)東京国際フォーラムにて開催!
TD SYNNEX株式会社 ソリューション営業部門 ソリューション営業部長 米澤 賢治
「ソリューションアグリゲーター」を目指すTDシネックス。その中核的な組織のひとつに、ソリューション営業部があります。
IT商材のディストリビューションを行う企業は数多くありますが、TDシネックスと他社との大きな違いは、エンドユーザー様に直接提案を行う「ハイタッチ営業」を実践している点です。
ユーザー様の悩みを直接ヒアリングし、どこに課題があり、何をしたら良いのかをダイレクトに提案することで、より満足度の高いソリューションを実現しています。 今回はそのソリューション営業部長である米澤賢治氏に、ハイタッチ営業のメリットや成果、今後のソリューション営業部のビジョンなどについて伺いました。
ハイタッチ営業によるソリューションビジネスを展開
―― 米澤さんのご担当領域と業務内容、取り扱うテクノロジーについて教えてください。
私は主にソリューション営業部門の戦略の策定や、マネジメントを行っています。現在部門の社員は6名とメンバーがまだ少ないため、私自身も営業活動をしております。
ソリューション営業部では「ハイタッチ営業」を主軸としていまして、分野としては「サーバー/ストレージ」「ネットワーク/セキュリティ」「クラウド」「UC/VC」という大きな4本柱で営業活動を行っています。
ハイタッチ営業というのは代理店を通さず、エンドユーザー様とディストリビューターが直接やり取りをする営業手法です。
案件がクロージングになった時点で販売パートナー様にエンドユーザー様をご紹介し、お互いの相乗効果を促しています。また、販売パートナー様への技術支援も行っています。
―― ソリューション営業部は、社内でも特にテクノロジーに精通している方々が集まっているということですが、米澤さんのこれまでのITに関するご経歴をお教えください。
以前は某複写機メーカーで営業をやっていました。最初は複写機の営業を担当していましたが、その後ソリューション営業部に移り、それ以降はずっとソリューション営業をやっていました。
TD シネックスにジョインしたのは2019年ですので、今年で3年目になります。ソリューション営業部自体も設立初期でしたので、ゼロから皆で部門を立ち上げていった形です。
ソリューション営業部のメンバーは、ほぼ全員ITのソリューション営業として、20年~30年のキャリアを持っています。
―― ソリューション営業部のミッションについて、お聞かせください。
ハイタッチ営業によるソリューションビジネスを通してお客様の課題解決に繋がる提案を実施する事で、高付加価値なディールを獲得し、自社の業績に貢献することが、主なミッションになります。
簡単な言い方をしますと、ソリューションビジネスでまず案件を作ることが、ソリューション営業部のメインの仕事です。そして、その案件を一緒にデリバリーしてもらえるパートナーを開拓することが、2つ目の目標ですね。
それらの活動が、ソリューションアグリゲーターを目指すTD シネックスにとって、今後業績を上げていくためのきっかけになればと考えています。まずは当営業部が実践し、それを会社全体に展開していけるようになりたいですね。
―― ソリューション営業としてユーザー企業を訪問することもあるということですが、直接エンドユーザー様にハイタッチ営業をされる理由やメリットについて教えてください。
まず前提として、IT業界にディストリビューターの存在は不可欠であると、私は思っています。なぜかというと、ディストリビューターがいることで、メーカー様や販売パートナー様が得られるメリットが非常に大きいからです。
ディストリビューターはマルチベンダーで、いろいろな製品の取り扱いができます。メーカー様と同じように在庫を持ち、価格コントロールができる機能も持っていますので、そうした点はメーカー様や販売パートナー様にとって大きなメリットになるのではないでしょうか。
ただし、ディストリビューターの立ち位置は、メーカー様と販売パートナー様の間に挟まってしまうため、エンドユーザー様との間に少し距離があり、エンドユーザー様が実際に持っている課題やニーズを捉えるのが非常に難しいという課題があります。
メーカー様や販売パートナー様としても、プロモーションしたい内容をエンドユーザー様に伝えるのがなかなか難しく、あまりうまくいっていないという現状がありました。そこを改善するという意味で、ハイタッチ営業が必要だったのです。
ディストリビューターがエンドユーザー様のところに顔を出してニーズを確認したり、エンドユーザー様がまだ気付いていない潜在的な課題を知ったりすることによって、先回りの提案をすることができます。
たとえば、以前に教育のICT化を目指す学校様から、「ICTを活用したいので使い方を知りたい」というご要望をいただきました。詳しくお話を伺ったところ、ICTの活用以前に情報セキュリティ対策が必要であることがわかりました。
そこで、「まずは情報セキュリティを整えてから、ICT化を進めましょう」とお伝えし、セキュリティ対策についてご提案をいたしました。
実際にセキュリティを高めることによって、少しずつ学校様がICTを活用する動きにつながっていき、学校様がICT優良校の認定をもらうところまで至りました。
販売パートナー様への技術支援によって営業力を強化
―― 実際にエンドユーザー様と話をされて、近年企業が抱えているIT分野の課題には、どのような特徴があると感じていますか?
ここ数年、ITのライフサイクルが非常に早くなってきています。クラウドの普及が急速に進み、サービスもどんどん新しいものが出てきている中で、エンドユーザー様が一番悩まれているのは、「自社に最適なソリューションが何かがわからない」ということです。
今の時代は簡単に情報が手に入る一方、情報過多になってしまうこともあり、それが逆にエンドユーザー様にとっては悩まれる原因になっているのではと感じています。
そのようにして迷われるエンドユーザー様に対しては、「増力化と省力化」、「攻めと守り」といった普遍的な企業経営の観点から、お話をさせていただいています。
「攻め」というのは売上を伸ばしたり、事業を拡大するための投資に関わる部分で、DXが代表的な例です。「守り」は、情報セキュリティなどがこれにあたります。
たとえば「御社は来年度、何をやっていきますか?」と質問をさせていただくと、「省力化ですね。予算が厳しいし、投資の方には回せないので、守りの方に入っていきたいです」といった話題になっていきます。それに対して、当社がエンドユーザー様に何をご提案できるかを、考えていくことになります。
―― 販売パートナー様への技術支援も行っているとのことですが、販売パートナー様がユーザー企業のサポートに対して抱えている課題はでしょうか?
これは市場全体に言えることですが、IT技術者の数がとても少なくなっています。その理由は、IT技術の変化があまりにも早く、エンジニアはどちらかというと花形であるRPAやIoT等の先進技術分野に流れてしまっている様に感じます。
私たちの提供するソリューションは、どちらかというとインフラエンジニアの分野なのですが、そこをやりたいと思う人が減っているように思います。どこの販売パートナー様に伺っても、「技術者が少ない」というお声をよくお聞きします。
販売パートナー様としては、自社にエンジニアが少ないので、提案活動につなげるまでにかなり苦戦をしているようです。営業さんがせっかく案件を持ち帰っても、一緒に考えてくれる仲間がいないので、お客様とあまり深く関わることができません。そこでだいぶ躊躇されてしまっている様に見受けられます。
―― 販売パートナー様への技術支援を行うことが、ユーザー企業の満足度の向上や販売パートナーの営業力強化につながっていると感じますか?
はい。販売パートナー様への技術支援については、ソリューション営業部のプリセールスエンジニアと一緒にやっているのですが、確実に販売パートナー様の営業力強化につながっていると感じています。
なぜそう思うかというと、実際に私たちが営業支援を行った販売パートナー様から、私たちが技術支援を行った案件と似通った相談をいただくことが増えてきたのです。
最初は販売パートナー様も私たちの技術支援を受けて提案活動を行っていたのですが、徐々に他のお客様に対しても、同じ提案ができるようになったということでしょう。
技術支援を行うことは、私たちにとっても営業上のメリットにつながります。販売パートナー様としては、ハイタッチ営業や技術支援ができる会社とできない会社と、どちらと組みたいかといえば、やはり前者と組みたいというのが本音だと思います。
ソリューション営業の成果を最大化することに注力したい
―― ソリューション営業として感じる、TD シネックスだからこそ可能なソリューションがあれば教えてください。
ハイタッチ営業を行っているディストリビューターは、日本国内ではTD シネックスをおいて他にありませんので、それ自体が私たちにしかできないソリューションではないでしょうか。
ディストリビューターとして、マルチベンダーでいろいろな製品を持っていることも、大きな強みです。また、TD シネックスは日本で唯一の外資系ディストリビューターですので、海外のITトレンドをいち早くお客様にお届けすることもできます。
なおかつ、それが販売パートナー様を介さずエンドユーザー様に直接お届けできるというところが、TD シネックスが最もバリューとしているところです。
また、当社にはビジネスデベロップメントを手がける専門のチームがあり、そのチームが新しい製品をソリューション化して市場に出しています。
代表的なものとしては「ユニファイドコミュニケーション」の分野で、いわゆる音声用のサーバーとナースコールを連携させ、看護師の方がスマートフォンでナースコールに入った内容を事前に読み取ることができるというソリューションです。
このソリューションにより、看護師の方があらかじめ準備をしてから、病床に訪問できる仕組みになっています。現在病院ではPHSを使っているところがほとんどですが、PHSの電波は2023年3月に完全に終了しますので、各メーカーのPHS端末の生産量が減少し、結果的に端末の代金も高額になる事が予想されます。
それを機にPHSをスマートフォンに切り替え、内線化してナースコールと連携するというご提案をしており、ここ最近かなり引き合いが多くなっています。
実際、大学病院などからも、高い評価をいただいております。今までのPHSですと、ナースコールで患者さんに呼ばれて病室に行くと、そのときに初めて何が起きているのかがわかります。
点滴を交換するというようなときは、いったんナースステーションに戻ってからまた病室に行くので、二度手間になっていました。でもこのソリューションを使えば、準備をしてから病室に行けるので一往復で済み、無駄な時間の削減に繋がり、働き方改革にもつながります。
―― ソリューション営業部門の、今後のビジョンについてお聞かせください。
ソリューション営業部は、ソリューションアグリゲーターを目指すTD シネックスの、屋台骨となる組織のひとつだと思っています。
組織結成後の3年間は、部門の内部体質をどう強化していくか、戦略をどう立てていくか、市場開拓をどうやっていくかといったところを中心に動いてきました。トライしては失敗し、それを改善してはまたトライするといった試行錯誤を、繰り返してきた形です。
しかし、最近は体制が整ってきましたので、これからは成果を最大化することに注力できると思っています。現在の戦略の元、組織を大きくして、ソリューション営業の成果を最大化していく計画です。
私たちの活動は日本国内でも前例がなく、非常にユニークなものですので、この活動を通してまずは国内でのTD シネックスのプレゼンスを上げていきたいですね。
メーカー様や販売パートナー様に認知していただく活動を行い、「TD シネックスは他の会社とちょっと違うね」という評価をいただけたら嬉しいです。
また、TD シネックスは世界の100ヶ国以上でグローバルなサービスを展開しています。ゆくゆくは世界中の仲間達に向けて私たちの成功事例を発信できるようになりたいと思っています。