Chrome OS Flex と CEU を併用するメリット
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Chrome OS Flex と併用した際の Chrome Enterprise Upgrade/Chrome Education Upgrade がもたらすメリットについてご紹介いたします。
はじめに
前回の記事では、既存のデバイスを Chrome OS として再活用できる Chrome OS Flex についてご紹介しました。
この記事では、その Chrome OS Flex と併せて使うことで、より組織的な運用・管理を可能にする Chrome Enterprise Upgrade/Chrome Education Upgrade(以下、CEU) の導入メリットについてご紹介します。
通常 CEU は、Chrome Enterprise Upgrade または Chrome Education Upgrade のどちらかを指します。
やや相違はありますが、Chrome Enterprise Upgrade と Chrome Education Upgrade の根幹の機能には大きな違いはないため、この記事では大筋の理解のために両方をまとめて CEU として扱います。
関連:Chrome Enterprise Upgrade と Chrome Education Upgrade の違い
CEU とは
CEU は、Chrome OS デバイスを一括で管理するためのライセンスです。
購入することで、Chrome OS に対し、Google管理コンソール上で多くの設定を操作することが可能になります。
そのため、利用には Google Workspace など、Google管理コンソールにアクセスできるサービスの契約が必要です。
また、CEU 1ライセンス 1デバイス管理のため、管理するデバイスの分だけライセンスが必要になります。
CEU は、組織として多くの Chrome OS デバイスを管理することに特化しているため、学校など大規模なデバイス管理が必要な組織に向いています。 セキュリティやポリシーなどの設定を、デバイスのひとつひとつに設定を行う必要がなくなるため、管理コストを大幅に下げることが可能です。
導入するメリット
Chrome OS Flex と併せて CEU を導入するメリットについて、具体的にご紹介します。
一括管理
CEU を導入する最も強い理由のひとつは、Chrome OS Flex と他の Chrome OS デバイスを一括して管理することができるようになる点です。
もし、Chrome OS Flex を導入したとしても、他の Chrome OS と管理方法が揃っていなければ、組織としての使い勝手としては良くないでしょう。
CEU では、Chrome OS も Chrome OS Flex も Google管理コンソール上で操作することが可能です。 また、クラウドの Google管理コンソールで制御できるため、管理者が設定を管理する場合に1つのデバイスに縛られる必要がなくなります。
すでに CEU をご利用の場合、管理対象に Chrome OS Flex が追加され、それまでの同様の方法で管理することができます。
なお、Chrome OS Flex には Chrome OS に備わっていない機能があることに注意が必要です。
Chrome OS に適用させている設定が、Chrome OS Flex で利用できない可能性があることは予めご留意ください。
参考:公式ヘルプ Chrome OS Flex と Chrome OS の違い
<例>
- 生徒は全員 Chromebook、教師は個々人によって バージョンの違う Windows OS を利用しており、デバイスの管理不可が大きい。
→ 教師のデバイスを Chrome OS Flex にすることで、バージョンの差異による不都合をなくし、生徒のデバイスと教師のデバイスを同じツールで管理できるようになる。 - 人員配置の変更があるたび、教師の利用デバイス 一台一台にセキュリティや環境の設定をするのに手間がかかっている。
→ Google管理コンソール上で管理対象グループ内にユーザー追加し、設定変更を合理化する。
セキュリティ強化
CEU 組織内にあるデバイスの Chrome OS の更新を管理できます。これには Chrome OS Flex も含まれます。
Chrome OS のアップデートが約 4 週間ごとに行われるのみならず、セキュリティ修正やソフトウェア アップデートなども定期的に実施されるため、管理端末の安全性を高めることが可能になります。
ミクロな面では、ウェブサイトへのアクセスを許可または拒否する設定ができます。
ユーザーのアクセスを適切に管理・制限することで、生産性の向上と悪意のあるコンテンツから組織を保護することが可能になります。
ホワイトリスト、ブラックリスト、例外設定つきのブラックリストなど、管理に適したリストから設定を行うことができます。
また、端末が紛失・盗難など不慮の事故に遭った場合に、対象端末を遠隔操作してログインを停止させたり、データをワイプさせたりすることが可能です。
物理的なセキュリティの危機に備えるという点についても、CEU は非常に効果的です。
<例>
- 業務と関係のないサイトへのアクセスをブロックしたい。 → 特定のサイトに限定してアクセスブロックしたい場合はブラックリスト、教材サイトなど特定のサイト以外へのアクセスを原則禁止したい場合はホワイトリストを用意することで柔軟に対応。
- デバイスの紛失または盗難時にデータが悪用されないようにしたい。
→ Google管理コンソールから遠隔操作で Chrome OS デバイスのデータを無効化することが可能。
無効化されたデバイスでのログイン停止またはすべてのデータを削除することができる。
各種ポリシーの適用
管理対象の Chrome OS デバイスに対し、管理者はポリシーを適用することができます。
登録とアクセス、ログイン、補助機能 などの設定はもちろん、後述のキオスクに関する設定も設定可能です。
ポリシーの適用は 対象のデバイスを組織部門として登録し、Google管理コンソールから一括管理します。
なお、管理できる具体的なポリシーについては、Chrome Enterprise で 設定可能なポリシーの紹介、公式ヘルプ Chrome OS デバイスのポリシーを設定する をご参照ください。
<例>
- ユーザーが利用できるアプリを制限し、リスク管理を行いたい。 → デバイスに対し、業務に関係ないアプリを入れさせない/特定のアプリを自動的にインストールさせることが可能。適用にはユーザーのログインが必要。
- 共用の出張用デバイスを安全に利用したい。 → Chrome OS デバイスにログインできるユーザーを、リスト内のみに制限、または特定のユーザーにのみログインを許可するなど、ログインの制御を行う。
キオスク・サイネージ
Chrome OS では、デバイスを キオスク・サイネージとして利用可能な機能があります。
単体でも動作はしますが、拡張機能を利用するためには CEU が必要となります(下記は拡張機能の一例)。
- キオスクアプリの自動起動
- Chromeのバージョン管理
- キオスクがアクセスできるURLを指定
- 遠隔での操作
キオスク・サイネージは Chrome ウェブストアから対象アプリをダウンロードするか、独自に開発することで利用可能になります。
参考:Chrome ウェブストア で探す
参考:公式ヘルプ Chrome キオスクアプリを作成してデプロイする
<例>
- 校内では掲示板に紙でお知らせを掲示しているが、印刷・張り替え・回収の手間が大きい。
→ 校内に表示するお知らせを Chrome OS Flex を導入した既存のデバイスでサイネージ化し、ペーパレスかつ最新情報の管理を可能にする。
まとめ
CEU は、それ単体でも組織の端末を管理するのに非常に有効なプロダクトです。
組織内の端末を Chrome OS として再生する Chrome OS Flex は、CEU とでの管理が可能です。
そして、他の Chrome OS 端末と同じように管理することができるため、より一層利便性を高めることができます。
既に組織内で Chrome OS 端末をご利用の場合、Chrome OS Flex 端末が組織に追加されても、CEU での管理の方法は変わりません。
通常の Chrome OS と同様に一括管理を行えるため、新たな手間が発生する心配はありません。
また、これから Chrome OS Flex や CEU の導入をお考えの場合は、Chrome OS Flex のご紹介 、Chrome Enterprise Upgrade 導入のメリット などの記事もございますので、こちらも併せてご検討の材料としていただけましたら幸いです。
※前述の通り、Chrome Enterprise Upgrade と Chrome Education Upgrade には若干機能に差異がございますが、おおまかな仕様を理解する際には参考になるかと存じます。