Windows 11 に組み込まれる対話型AI 「 Windows Copilot 」が新登場!
ChatGPTを初め、生成AIと呼ばれるAIチャットが急速に普及しています。
Microsoftも自社のあらゆる製品に、AI機能を搭載していくと発表しており、2023年5月に『Windows Copilot』を発表しました。Windows Copilotは、初めてOSに組み込まれる対話型のAIアシスタントということで、注目を集めています。この記事では、Windows Copilotに関する最新の情報を紹介していきます。Windows Copilotに興味がある方はぜひ最後までお読みください。
Windows Copilotとは?概要説明
この Windows Copilot について調べた方は「Microsoft 365 Copilot」という別のサービスも目にしたのではないでしょうか。Microsoft 365 Copilot は、Excel や Word、PowerPoint、Teams といったお馴染みの Microsoft 365 アプリに組み込まれ、Microsoft 365 のアプリケーションと連携することができるAIアシスタントです。(こちらは現時点で、リリース時期は未定ですが、1ユーザーあたり月額30ドルでの提供と発表が出ております。)
一方、Windows Copilot は、Windows OS のAIアシスタントです。Windows Copilot は人工知能AIアシスタントとして機能し、Windows 11 の操作を支援し、利用者の生産性と効率性を高めるためのヒントを提供するように設計されています。Copilotは英語で「副操縦士」を表しますが、その名の通り、人がパソコン上で実施していた多くの作業を代わりに実行、または補助として動く機能となります。
Windows Copilotの機能
Microsoftが公開している動画がありますので、まずはそちらをご覧ください。
英語、かつ、スピードが速い部分もありますので、補足解説していきます。
Windows Copilot は [Windows キー + C] または [タスクバーのアイコン] をクリックで起動できます。動画内では、以下の4つのことをしていました。それぞれ内容を見ていきます。
1.仕事に集中するための設定
『仕事に集中したいけど、どうしたらいい?』とCopilotに聞いています。これに対して、「フォーカスタイマー」と「ダークモード」という2つの選択肢を提案してくれています。
「フォーカスタイマー」:時間を区切って作業に集中できるようにタイマーを設定可能な機能です。「ダークテーマ」:画面の背景を黒系統の色に統一変更する機能です。
そして、『はい』か『いいえ』をクリックし、設定するかどうかを選べます。
提案された設定が分からなくても、どのような機能なのかも説明されていますので、自分で調べる必要もありません。
2.アップロードしたPDFファイルを要約
PDFファイルをCopilotにアップロードすると、1) 内容説明、2) 書き換え、3) 要約、といった選択肢を自動で提案してくれます。今回の動画の例では、『要約』を選択しており、PDFの中身を要約してくれています。
3.Spotifyで音楽を再生
『仕事をしている時に聞くおすすめの音楽を教えて。』とCopilotに聞くと、音楽配信サービス 「Spotify」のアプリからプレイリストを案内してくれます。
案内されたプレイリストから聴きたい音楽を選択するとSpofifyの画面に飛び、音楽を再生可能です。
4.ロゴ画像を作成し、作成した画像をTeamsに送信
『会社のロゴを作成したい。』と書き込むと、『Adobe Expressで作りますか?』と聞いてくれます。作成をお願いすると、自動でロゴを作成してくれます。
続いて、Copilotが『どんなことが、したいですか?』と聞いてくれるので、『Teamsのデザインチームに送ってください。』とお願いすることで、作成したロゴをTeamsに送信することも可能となっています。
これらのことが、すべて対話形式で可能となります。
Windows OS に付属のアシスタント機能としては「Cortana」が既にありますが、Windows Copilot はCortana のように、あらかじめ質問に対する返答が用意されたものとは異なり、自然言語処理によって質問や指示の意図をくみ取り、聞き手が何を求めているのかを推測し、期待する回答を示してくれるのが特徴です。
Windows Copilot はいつから使えるのか?
9月26日に実施されるWindows 11 向けの大型アップデートで、Windows Copilot がプレビュー版として展開されます。この内容は9月21日に発表され、名称はこれまで「Windows Copilot」と呼ばれていましたが、最新の公式ブログでは「Copilot in Windows」と表記されています。
Windows Copilotの価格・料金体系
料金についても未定ですが、Windows 11 の新機能として発表されていますので、標準機能して、無料での提供が期待されますが、Microsoft の正式発表待ちとなります。また、Copilot は Windows 11 向けの機能ですので、Windows10 では利用できません。
まとめ
Microsoft は Copilot の開発に力を入れており、現在プレビュー版として一部のユーザーにリリースされています。私たちの働き方を大きく変え、AIがなくてはならないパートナーとなる日も近いかもしれません。
しかし、AIはあくまでも「副操縦士」であり、メイン操縦士は、私たち人間です。AIになにをどこまで任せるかは、人間が決める必要があります。そのため、AIを活用するには私たち利用者がAIでどんなことが可能なのか、把握している必要があります。
Copilot などAIの導入や運用を考えている方は、ぜひ専門家であるTD SYNNEXにご相談ください。また、Windows Copilot はWindows 10 では利用できませんので、Windows11へのアップグレードもお気軽にご相談ください。
[著者プロフィール]
TD SYNNEX株式会社 | 山口 陽平
ソリューションビジネス開発本部 プリセールス&エンジニアリング部 シニアプリセールスコンサルタント
2008年、新卒で日系IT商社にSEとして入社。国内大手製造業向けのインフラ構築プロジェクトに、エンジニア兼任プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャとして従事。様々な案件に取り組むうちに、自ら商材を生み出す、新規サービスの企画を担っていきたいと考えるようになり、社内公募にて新規サービス企画の担当へ職種を変更。クラウドソリューションを中心に新規サービスの企画、提案、マネージャとして従事。その後、これまで得た知識、経験を生かして外の世界でも挑戦できないかと思い立ち、TD SYNNEXに入社。
TD SYNNEXにて、これまでの経験をもとに分かりやすくお客様に説明することに重きを置き、クラウドソリューションの拡販・提案活動に尽力している。