この記事のポイント
農林水産省の事例:
2026年1月、メール誤送信により4,571人分のマイナンバーなどの個人情報が流出
既存対策の限界:
SWGやメール監視では「正規ルートでの誤送信」を物理的に止めることが困難
解決策:
データの中身を識別する「Symantec DLP」により、ヒューマンエラーによる情報漏洩を自動遮断

昨今、サイバー攻撃への対策が進む一方で、盲点となりがちなのが「内部からの情報の流出」です。 

2026年1月23日、農林水産省は職員の源泉徴収票データ(氏名、生年月日、住所、マイナンバー等)を含むメールを、誤ったアドレスに送信したことで、4,571人分の個人情報が漏洩したと発表しました。

出典:職員の個人情報の漏えい事案の発生について:農林水産省

この事案が示しているのは、悪意がなくても「たった一度の宛先間違い」というヒューマンエラーだけで、組織の信頼を揺るがす重大な事故は起こり得るという現実です。 

果たして、従来の「SWG(Webセキュリティ)やメール監視」といった対策だけで、本当に十分だと言えるのでしょうか?

この記事では、個人情報保護やコンプライアンス強化の最後の砦となるSymantec Data Loss Prevention (DLP)について、なぜ今このソリューションが「セキュリティ新常識」と言われるのか、必要性とその仕組みと共にご紹介いたします。

なぜ、今DLPなのか?(SWGやメールセキュリティの限界) 

多くの企業で導入されているSWG(Webセキュリティ)やメールセキュリティは、主に「外部からの脅威(マルウェア、不正サイトアクセス)」を防ぐことに主眼が置かれています。 
しかし、企業にとって致命傷となりうる流出経路は、実は内部にあります。 

守るべき資産 

  • 個人情報: PII(氏名・住所)、マイナンバー 
  • 機密情報: 企業の独自技術、ソースコード、設計図 
  • 金融情報: クレジットカード番号(PCI DSS対応) 

これらが流出する原因は、以下の2つに大別されます。 

  1. 善意のユーザーによる「うっかり」漏洩: 今回の農水省の事例のような宛先間違い、誤ったファイルへのアップロード 
  2. 悪意のある内部犯による「意図的な」持ち出し: 競合他社へのデータ転送、私的利用 

これらは、通信先が「許可された送信先」であれば、従来の境界防御やUTMの簡易DLP機能では検知・ブロックが困難です。
「中身を見て、重要度を判断し、止める」というDLP専用の技術が必要不可欠です。 

そもそもDLPとは?DLPが動く仕組み 

前述の「中身を見て守る」という役割を担うのが、DLP(Data Loss Prevention:情報漏洩防止)です。

DLPは、あらかじめ指定した機密情報(マイナンバーや特定のキーワード等)をシステムが自動で識別し、それらが外部へ送信されようとした際にリアルタイムで検知・遮断する技術です。
「人」の注意だけに頼らず、システム側で物理的に情報を守ります。

「DLPという言葉は知っているが、UTMのオプション機能でしょ?」
「概念が難しくて、どう動いているかイメージしにくい」 

そう思われることも多いDLPですが、今回紹介するSymantecのアーキテクチャは非常に論理的かつ強力です。
単なるフィルタリングではなく、以下の役割分担で高度な検査を行います。 

DLPが動く仕組み 

Step 1:頭脳(Management Server)で定義する

まず、管理サーバーで「何を守るか(Policy)」を定義します。
「マイナンバーが含まれるファイル」「特定のキーワードが含まれる機密文書」などを指紋(フィンガープリント)のように登録します。 

Step 2:目(Detection Server)が監視する

Webやメールの通り道に、見張り役となるDetection Server(検出サーバー)を配置します。 

Step 3:連携と遮断(Action) 

  • 検査依頼
    SWG(Web通信)やMTA(メール配送)は、データを外部に送る前に、DLPへ「このパケットの中身、送っても大丈夫?」と検査を依頼します。 
  • 詳細検査
    DLPはパケットを分解し、Step 1で定義したポリシーと照合します。 
  • 判定・実行
    違反があれば「ブロック」を指示し、通信を即座に遮断。同時に管理者へ通知したり、ユーザーに警告画面を出したります。 

この高度な連携により、暗号化された通信であっても、中身を精査して止めることが可能です。 

セキュリティ担当者が「Symantec DLP」を選ぶべき3つの理由

市場には多くの製品がありますが、Symantecが「決定版」とされる理由は、単なるフィルタリングではない「本物」のDLP専業技術にあります。 

1. 「うっかり」も「悪意」も逃さない圧倒的な検知精度 

SSE(Security Service Edge)の一部機能として開発された簡易DLPとは異なり、DLP専業ベンダー(旧Vontu)の技術を統合・進化させてきた歴史があります。
検知精度(誤検知の少なさ)、日本語対応、検出技術およびポリシーテンプレートの豊富さにおいて圧倒的な信頼を誇ります。

2. 全方位の保護(Web, Mail, Endpoint, Storage) 

Webやメールといった「出口」だけでなく、PC端末(Endpoint)上の操作や、ファイルサーバー(Storage)内の機密情報スキャンまで、同じポリシーで統合管理が可能です。
農水省の事例のような事務手続きのあらゆるシーンをカバーします。 

3. 導入ハードルを下げるクラウド対応 

オンプレミス版だけでなくクラウド版も提供しており、お客様の環境に合わせてどちらかを選択、または併用が可能です。
専用ハードウェア不要でスモールスタートが可能なため、高度なセキュリティを迅速に導入できます。

まとめ:ヒューマンエラーを「前提」とした対策を 

農林水産省の事案が教えてくれるのは、「どれほど注意を払っても、人はミスをする」ということです。

従来のセキュリティが「外からの侵入を防ぐ壁」であるなら、DLPは「中からの流出を防ぐ砦」です。
注意喚起や研修といった「人」に頼る対策から脱却し、システムで物理的に情報を守る「Symantec DLP」を検討してみませんか?

「自社の対策、今のままで大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら

私たちは、お客様の環境に合わせた最適なプランを一緒に考えます。まずは情報収集や、ちょっとしたお悩み相談からでも、お気軽にお問い合わせください。

[筆者プロフィール]
TD SYNNEX 齋藤 史隆
ブロードコムビジネス部門 セキュリティビジネス開発部 シニアプリセールスコンサルタント

ネットワークインテグレーターにてハイタッチ、パートナーセールスを経験後、照明メーカーにて照明制御アプリケーション開発のPMおよび、IoTデバイスの企画開発職に従事。
セールスとしての経験と、技術的知見を活かし現職ではBroadcom Enterprise Security製品のプリセールスを担当。