Google Workspace Business Standard で実現できることとは? Business Starter ユーザーが知っておくべきメリット

Google Workspace Business Starter を活用した業務も社内に定着してきたものの、「ストレージ容量が足りなくなってきたので拡張したい」「もっと便利に使いたい、もっと使える機能がある気がする」といったお悩みをお抱えの企業様も少なくないのではないでしょうか?

Business Starter は、その名の通り、Google Workspace を気軽に使い始めるための「最初の一歩」となるエディションです。費用を抑えている分、上位エディションである Business Standard に比べて、利用できる機能に制限があります。

Business Starter を導入して Google Workspace の活用を始めたものの、ビジネスの成長や変化に伴い、Business Standard の機能が必要となるケースが増えてきています。現在の Business Starter での成功を土台に、次のステップとして Business Standard がどのような新しい可能性を提供するか、ぜひご確認ください。

Google Workspace ついておさらい

ここでは、Google Workspace について簡単に再確認します。再確認が不要な場合は読み飛ばしていただいて構いません。

Google Workspace とは、Gmail、ドキュメント、ドライブ、カレンダーなど、ビジネスに必要なクラウド型のツールを統合したサービスです。場所を選ばず、チームでの共同作業を効率化できます。
オンライン会議やチャット、共同編集などの機能も充実しており、コミュニケーションを円滑にし、生産性を向上させることができます。現在の様々な働き方に柔軟に対応可能な包括的なビジネスツールと言えます。

Google Workspace には、いくつかのエディションがあります。エディションには、Business Starter、Business Standard、Business Plus、Enterprise などがあり、容量や機能に差があります。ニーズに応じたものを選ぶことで、さらに便利に使うことができます。

逆を言えば、ニーズを満たせないエディションを使っていると不便を感じる可能性があります。Business Starter をご利用中で、「もっと便利に使えるのでは?」と感じている場合、現在お抱えのお悩みは Business Standard へのアップグレードで解決できるかもしれません。次の節では、Business Standard と Business Starter の機能にフォーカスして比較していきますので、ぜひ、現在のお悩みが解決できるかご覧ください。

Business Standard から Business Plus や Enterprise へのアップグレードをご検討の場合は、TD SYNNEX までご相談ください。

Business Standard のメリット

Business Standard とは、Business Starter の上位版にあたるエディションです。
Business Starter で使用できる機能は、Business Standard でもすべて使用できますので、アップグレードする際に Business Starter で使用していたファイルや機能がなくなってしまうことはありません。

容量の拡張

ユーザーあたりのストレージが 30 GB から 2 TB へと大幅に拡張されます。画像データ、音声データ、動画データ、設計データ、顧客データ など、サイズが大きくなりがちなファイルをお取り扱いになる場合でも、容量不足の心配から解放されるでしょう。

この拡張されたストレージ容量はプールされるため、組織内でストレージの使用状況に偏りがあっても柔軟に対応できます。

共有ドライブ

共有ドライブは、Google Workspace でファイルを保存・共有する機能です。チームでのファイル共有と管理を強化できます。

共有ドライブは、ファイルの所有者が個人ではなくチームとなるため、担当者の異動や退職時にもファイルの引継ぎがスムーズに行えます。アクセス権限の設定などの管理機能も充実しており、安全かつ効率的にチームでファイルを共有・管理できます。

この共有ドライブの機能は、Business Starter でも使用することができます(注記がある場合はサポートされません)。ですが、共有ドライブのデフォルトの共有権限を設定することはできません。

Business Standard では、デフォルトの共有設定を行うことが可能で、特定の組織部門をデフォルトにすることが可能です。

Business Starter の共有ドライブは、デフォルトの共有設定や共有設定を変更することはできず、デフォルトの共有設定は、全ての共有を許可/すべての許可をリセットする設定のみとなっています。

新規に作成された共有ドライブは、デフォルトで組織内の誰でもアクセスが可能で、管理者がアクセス権限を細かく設定することはできません。設定できないのはデフォルトの設定についてであり、Business Starter でも 共有ドライブ作成後に、管理者がファイルやフォルダ単位でアクセス権限を細かく設定することは可能です。

また、Business Standard 以上のエディションの共有ドライブには、フォルダへのアクセスを制限する機能の実装が予定されています。現在は共有ドライブ内の特定のフォルダへのアクセスを制限することはできません。

しかし、この新機能により、共有ドライブ マネージャーは特定のユーザーに対してのみフォルダへのアクセスを許可できるようになります。アクセスが制限されたユーザーは、フォルダ名を確認することはできますが、フォルダ自体はグレー表示され開くことはできません。

この機能は、Business Standard 以上のエディションで利用可能になる見込みです。2024年10月時点ではベータ版のため、一部のユーザーのみ試用することができる状態です。現時点で全てのユーザーが利用できる機能ではない点にはご注意ください。
リンク:Google Workspace Updates – New beta available that restricts access to folders in Google Drive

コミュニケーションツールの機能向上

Google チャット や Google Meet の機能が拡張され、より快適なコミュニケーションを実現できます。
Google チャットでは、外部ユーザー参加のチャットスペースを作成することが可能になります。
Business Starter では、組織の外のユーザーとのチャットスペースは作成できません(招待されることは可能です)。
組織外のユーザーと Google チャットを介して連携することで、コミュニケーションを円滑化し、生産性を向上させることができます。

Google Meet では、参加人数の上限が 100 ユーザーから 150 ユーザーに増加し、ノイズキャンセリングや会議録画といった機能が追加されます。
ノイズキャンセリング機能により、周囲の雑音を低減し、クリアな音声で通信を実現できます。
会議室のような静かな環境が確保しづらいリモートワーク環境でも、ストレスなく会議に集中できます。

会議録画機能を使えば、会議を自動的に録画し、後から見返すことが可能です。欠席したメンバーへの情報共有や議事録作成の効率化に役立ちます。

その他、管理用コントロール、ブレイクアウトルーム、アンケートとQ&Aなど、会議運用に効果的な機能も追加され、オンラインミーティングの利便性を高めることができます。

Gemini for Google Workspace の利用

Business Standard では、Gemini for Google Workspace の 上位プランを利用することができます。

Gemini for Google Workspace とは、Google Workspace のアドオンとして提供される生成 AI 機能です。
Gmail、ドキュメント、スプレッドシートなどに組み込む形で提供されるAI機能で、高度な支援を提供します。例えば、メールの下書き作成、ドキュメントの要約、スライドのデザイン提案など、様々な業務を効率化します。

Gemini for Google Workspace には、Gemini Business と Gemini Enterprise の2つのプランがあり、Gemini Enterprise は Gemini Business の上位版です。

Business Standard では Gemini Business が利用可能で、AI を利用したより高度な機能を利用できます。
TD SYNNEX では、30日間の試用期間とフレキシブルでの検証期間のご利用もご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。

その他のメリット

Business Standard では、上記以外にも、Business Starter よりもさらに多くの機能をご利用いただけます。

Cloud Search
Google Workspace 内だけでなく、サードパーティ製アプリを含む様々なデータソースを横断的に検索できます。例えば、「顧客Aの提案書」と検索すると、Gmail、ドライブ、チャットなど、すべてのサービスから関連するファイルやメールを一括で検索でき、業務効率を向上させることができます。

メールの差し込み
宛名や本文の一部などを差し込み印刷のように自動入力できる機能です。用意したリストと組み合わせることで、顧客への一斉メール送信やお知らせ配信などを効率化できます。

ドキュメントの校正
スペルミスや文法ミスを自動でチェックし、修正候補を提案してくれます。より正確で質の高いドキュメントを作成するのに役立ちます。Business Standard では、これらの機能以外にも、スケジュールの予約機能やドライブ DLP のデータ保護に関する分析情報レポートの確認など、様々な機能が利用可能になります。Business Starter からアップグレードすることで、より快適かつ効率的なビジネス環境を実現できるでしょう。

比較表

Business StarterBusiness Standard
年契約の場合の 月額費用680円/ユーザー1,360円/ユーザー
プール済み ストレージ30 GB /ユーザー2 TB /ユーザー
コラボレーションツールの利用利用可利用可
メールの保護利用可利用可
メールのセキュリティサンドボックス不可利用可
メールの差し込み送信不可利用可
共有ドライブの利用対応予定利用可
共有ドライブの制限非対応対応予定
外部ユーザー参加のチャットスペース不可利用可
Meet のノイズキャンセル不可利用可
会議の録画とドライブへの保存不可利用可
Gemini for Google Workspace アドオンGemini Business のみ利用可

Business Standard へアップグレードした方が良い企業の例

業種や企業規模を問わず、スモールスタートとして Business Starter を契約した企業様も多いのではないでしょうか。

初めの頃は、Google Workspace の操作に慣れていないこともあり、Business Starter の基本的な機能で十分事足りていたかもしれません。

しかし、ビジネスの成長や変化に伴って、現在の機能にやや不足を感じているということもあるのではないでしょうか。

Google Workspaceを気軽に使い始めるための「最初の一歩」となるエディションです。ビジネスの成長に合わせて、より強力なエディションにアップグレードすることで、さらなる発展を目指せるはずです。物足りなさを感じているのであれば、是非 Business Standard へのアップグレードを検討してみてください。

ドライブの保存容量が足りない

大きなファイルを使うユーザーの場合、Business Starter の 30 GB は不安に感じる大きさかもしれません
30 GB では、高画質の写真であれば 10,000 枚程度、1 時間の HD 動画であれば 10 本程度の保存ができます。

これらが組み合わさっていたり、もっと大容量のデータを扱うこともあるでしょう。特に動画制作会社やデザイン事務所など、大容量のファイルを扱う企業では、心許なくなってしまう可能性もあります。

しかし、Business Standard の 1ユーザーあたりの保存容量は 2 TB あり、Business Starter の 60 倍以上になります。容量が大幅に増えるため、余裕を持ってストレージを使うことができるようになるでしょう。

添付ファイルのセキュリティを高めたい

Gmail では、セキュリティサンドボックスと呼ばれる機能により、添付ファイルのウイルスチェックが強化されます。

セキュリティサンドボックスとは、受信したメールに添付されたファイルを、隔離された仮想環境で実行し、安全性を確認する機能です。これにより、従来のウイルスチェックでは検知が難しかった未知のウイルスやマルウェアから、お客様の大切なデータを守ることができます。

不審な添付ファイルや悪意のある添付ファイルを含むメールが検出された場合、自動的に受信者の迷惑メールフォルダに振り分けます。スキャンの対象は指定することができ、すべてのメールの添付ファイルはもちろん、特定の条件に一致するものに限定するルールを作成することも可能です。

例えば、特定の送信者からのメールや、特定のキーワードを含むメールなど、柔軟なルールを設定できます。

Google Workspace のセキュリティダッシュボードでは、セキュリティサンドボックスによって悪意があると判断されたファイルの数や、隔離されたメッセージを確認できます。これらの情報を分析することで、より効果的なセキュリティ対策を講じることが可能になります。

リモートワークが増えた

働き方の一つにリモートワークが定着している現在、オフィス勤務時とは異なるコミュニケーションツールや働き方が求められます。通常のオフィスであれば、直接声をかけたり、会議室を借りたりすることで必要な環境を用意できますが、リモートワーク中は困難な場合があります。

リモートワークの普及率が高いIT業界や、社外にいることが多い営業職の社員が多い企業様では、こうした課題の必要性を強く感じているのではないでしょうか。

Business Standard では、社外との通信手段を強化する機能が拡充されます。

チャットでは、社外のユーザーを含めたチャットスペースを作成できるようになるため、メール以上にスピーディでスムーズなやりとりが実現できます。

Meet では、会議の録画機能やノイズキャンセリングといった通話の質を高める機能が追加されます。
録画データがあれば、会議に参加できなかったユーザーも会議の内容が確認できます。
ノイズキャンセリング機能は、コワーキングスペース、自宅、カフェといった、周囲の音がが入りやすい環境でもクリアな音声通話を可能にします。

オフィスという整った環境以外でも、安定したコミュニケーションができるような機能が充実しています。

Business Standard の トライアル

現在、Business Starter をご利用の場合、残念ながら Business Standard の直接的なトライアルは提供されていません。

Business Standard の機能を体験したい場合は、新規ドメインで30日間トライアルすることができます。
ご利用中のドメインとは別のドメインで、新たに Google Workspace アカウントを作成し、そちらで Business Standard の無料トライアルを利用することが可能です。

ただし、この方法では既存の Business Starter のデータとの連携はできませんので、あくまで Business Standard の機能を試すことのみが可能となります。

Business Standard へのアップグレードを検討されている場合は、上記の方法で機能を確認したり、販売パートナーにご相談いただくことをおすすめします。

アップグレードする方法

Google Workspace をご利用中の方へ

Business Starter から Business Standard へアップグレードする場合、現在の Google Workspace を契約されている販売パートナー(リセラー)にお申し出いただく必要があります(Google から直接ご購入いただいている場合は別の方法となります)。

販売パートナー様によっては、アップグレードのタイミングに制限を設けている場合がございます。
アップグレードをご希望の際は、まず販売パートナー様にご相談ください。

TD SYNNEX の販売パートナー(リセラー)の方へ

TD SYNNEX は、Google Workspace のディストリビューターです。当社の販売パートナー様は、お客様のエディションアップグレードをいつでも行うことができます。

TD SYNNEX の プラットフォーム StreamOne® Stellr を使用することで、Google を介さずに直接処理することができます。当社独自のプラットフォームにより、ディストリビューター経由でお客様のアップグレードを自由に処理できるのは TD SYNNEX のみです。
お支払い方法が 年間 / 定期プランの契約途中でもアップグレードすることができます。ご契約の支払い方法を切り替える必要はありません。

おわりに

Business Standard は、ストレージ容量の拡張、共有ドライブの利用、コミュニケーションツール機能の向上など、Business Starter よりも多くの機能を提供しています。

これらの機能を活用することで、業務効率の向上、セキュリティ強化、そしてよりスムーズなコミュニケーションを実現できるでしょう。

さらに、Business Standard では Gemini を別途購入することで、AI 機能 Gemini を利用できます。Gemini を活用すれば、メール作成や議事録作成などを効率化し、より創造的な業務に集中できます。

AI に興味がある方は、ぜひ Business Standard にアップグレードして使ってみてください。

TD SYNNEX では、お客様の Google Workspace 活用を支援するため、様々な情報を提供しています。
アップグレードに関するご質問やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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