Windows Autopilot でPCセットアップの手間を大幅削減!情シス担当が注目のクラウドサービスとは?

企業内のシステム担当者の方々はキッティング作業等のPCのセットアップに大きな労力がかかっていることでしょう。この記事では、 PCの保管や管理、キッティングやマニュアル作成、エンドユーザーの設定にかかるコストや手間を削減できるクラウドサービス「Windows Autopilot」の概要を解説します。

Windows Autopilotとは

PCセットアップの手間を大幅に減らすクラウドサービス

業務で扱うPCのセットアップは、多くのシステム担当者にとって頭の痛い問題です。ベンダーやメーカーへの発注から始まり、キッティング作業、情報設定や業務アプリのインストール、社員への割り当てまで、手間も時間もかかります。

Microsoftの「Windows Autopilot」は、PCのセットアップにかかる手間を大きく減らすクラウドサービスです。事前に会社情報やライセンス情報などを登録しておくだけで、エンドユーザー(社員)は自分の資格情報を入力しさえすれば自動で設定を完了でき、すぐにPCの利用を始められます。

また一度導入してしまえば、端末の故障や紛失といったトラブルが起きてもすぐに初期状態にリセット可能です。交換後の端末にふたたびユーザー情報を入力すれば、まるでスマートフォンの機種変更のように簡単にデータを移行でき、すぐに利用を再開できます。

Windows Autopilotに必要な構成要素

  • Windows Autopilotはクラウドサービスです。利用するためには、現状のPC管理・運用環境をクラウドに適合させる必要があります。OSはWindows10 Ver.1803以降が必須で、Windows 11 Pro/Pro for Workstation/Enterprise/Education 、Windows 10 Pro/Pro Education/Pro for Workstation/Enterprise/Education、またはWindows 10 Enterprise 2019 LTCSのいずれかのエディションが必要です。

  • Windows Autopilotは、「Microsoft Intune」 と呼ばれるデバイス管理ツール(MDM)に、PCの情報(シリアル番号、Windows Product ID、Hardware Hash ID、Model、OEM名)をCSV形式でアップロードして利用するため、Microsoft Intuneとクラウドサービスの管理・認証ツールであるAzure ADが必要です。

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なぜ今Windows Autopilotが求められるのか

  • 働き方を取り巻く環境の変化

近年の働き方改革の推進によって在宅勤務や時短勤務への理解が広まり、新型コロナウィルスの流行が一気にその傾向を後押ししました。今や多くの企業がオフィスに出勤する働き方だけでなく、働く場所や時間を問わない多様な働き方を取り入れています。

  • PC環境の変化

オンライン会議や共同編集機能を持ったコミュニケーションツールなどのクラウドサービスの普及により、従来多くの会社の標準機であったデスクトップ PC からノートPCやタブレット、スマートフォンなどのマルチデバイスを使った働き方が普及しました。

これらの変化に対応するためには、以前のような業務用PCの展開方法はふさわしくなくなってきています。リモートワークの社員に業務用PCを配送する手間が余計にかかってしまいますし、さまざまなデバイスで外部から社内ネットワークにアクセスすることが増えれば、セキュリティの不安も大きくなります。当然、故障や紛失のリスクも伴います。

Windows Autopilotを用いたセットアップ方法を導入することで、システム担当者とユーザー(社員)の負担を減らし、新しい時代の働き方にも対応できるのです。今後このセットアップ方法は、さらに普及していくことでしょう。

Windows Autopilotを用いたPCの展開について

ここからはWindows Autopilotを用いたPCの展開方法について説明していきます。

従来のキッティング方法

まず、従来のキッティングはどのように行われているでしょうか。多数のPCをキッティングする際には、主にクローニングと呼ばれる手法が用いられます。マスターとなる端末に自社で使う設定やアプリケーションをインストールし、それをイメージ化して複数の端末にコピーする手法です。

一台一台キッティングするよりは大幅にミスや工数を減らすことができますが、マスターPCは機種ごと、OSごとに作成しなければならず、一度に大量のPCを並べるスペースや電源の確保、クローニングの知識や経験も必要とされます。OSのバージョンアップ時の配信コントロール設計も十分ではなく、回線負荷が高まることで業務に支障がでる可能性もあります。

従来の手法とWindows Autopilotとの違い

Windows Autopilotを使えば、自社の環境に適した初期セットアップを、クラウドを介して自動的に行えます。システム担当者はいちいちPCを取り寄せて箱を開けて並べてキッティングして…という作業の必要がなくなり、セットアップが終わったPCを手配するだけで済みます。

エンドユーザーである社員も、自社の通信ネットワークもしくは自宅のWi-FiなどにPCをつなぎ、自分のアカウントでログインするだけで、自動的にWindows AutopilotのDeployment Serviceに接続され、必要な設定やアプリケーションのインストールが行われるので、すぐに作業を開始できます。

最短のシナリオであれば、工場出荷時に梱包された状態からエンドユーザーに手に渡るまで、PCを他の人の手に触れさせることなく展開可能です。

Windows Autopilotの展開方法

システム担当者が行う作業は次の4つのステップです。

  1. Azure AD上に会社情報を設定
  2. Azure ADテナントに各ユーザーのアカウント情報を追加
  3. ユーザーアカウントにMicrosoft365など各アプリケーションのライセンスを割り当て(MicrosoftからデバイスIDを入手し、Microsoft Intune上で登録。デバイスがSurfaceの場合、Microsoftへの代行登録依頼も可能)
  4. デバイスの初期起動時に表示されるOOBE(Out-Of-Box Experience )項目の設定

Windows Autopilotのメリットと導入前の確認点

ここでWindows Autopilotのメリットをまとめます。

  1. PCの保管や管理、キッティングやマニュアル作成、エンドユーザーの設定にかかるコストや手間を削減できる。
  2. クラウドベースでPCの初期設定ができるので、最短で工場からエンドユーザーに直接届けるだけで展開できる。
  3. システム担当者は、Microsoft Intuneで自社のPCとしての登録、コンピュータ名の指定、エンドユーザーへの割り当てを行うだけで済む。
  4. Windows Autopilot とMicrosoft Intuneを組み合わせることで、デバイス管理やユーザー管理、アプリケーションの配布も可能になる。

一方、Windows Autopilotの導入を決定する前に確認していただきたい点もあります。

  1. 各PCごとに特別な設定が必要かどうか  (必要な場合は一台ずつのキッティング作業が発生します)
  2. 会社の環境をクラウド中心にシフトしやすいか
  3. PCの購入先がWindows Autopilotを利用して出荷できるベンダーやメーカーか
  4. Windows10以降のOSを利用しているか(※参考 Windows Autopilotに必要な構成要素

まずは、上記の項目で自社がWindows Autopilotの導入に適した環境であることを確認していただいた上で、 業務効率化や生産性向上に大きく貢献するWindows Autopilotの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
もしご不安な点がございましたら、TD シネックスまでお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

Windows Autopilotは、業務効率化や生産性向上など、企業経営にとって大きなメリットをもたらしてくれます。またクラウドサービスの導入やリモートワークのしやすさといった要素は、先進的で働きやすい職場として、社員の会社に対する満足度向上にもつながります。

これからの時代、リモートワークやマルチデバイスの活用はひとつのスタンダードとして社会に定着するはずです。新しい働き方に対応するシステム管理やセキュリティ対応を考えれば、近い将来、従来の管理方法では対応しきれなくなる時代がやってきます。

新しい働き方へ移行し、企業として成長する絶好の機会として、Windows Autopilotによるデバイス管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

TDシネックスのPC運用サービス

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