サーバー管理とは?サーバーの管理方法や操作しやすいおすすめのツールをご紹介

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自社システムのサーバーを管理するにあたって、事前に決めておくことがあります。しかし実際のところ、どのような内容について検討すればよいか不明な点は多いかもしれません。そこで、ここではサーバー管理時に考慮すべきポイントについて解説します。サーバー管理の方法やツールも取り上げてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

サーバー管理時に考慮すべきポイント

サーバー管理と言っても、その業務は大きく以下2つに分類することができます。

  • サーバー運用業務
  • サーバー保守業務

それぞれの業務内容について、まずは詳細を確認しておきましょう。

サーバー運用業務について

運用業務はサーバーを安定稼働させ、日々正常にシステムを動作させるために行われる業務です。具体的には次のような業務を行うことが一般的となります。

  • アプリケーションやサービスなどの稼働状況監視
  • リソースやメモリの使用状況監視
  • パッチ適用対応
  • サーバー再起動
  • バックアップ取得
  • その他定型的な手順に基づいた作業

運用業務は定型的な業務が多く、システム障害を未然に防いだり、障害発生時に迅速に対応したりすることを目的に実施されることが特徴です。

サーバー保守業務について

保守業務は、システムに何らかの不具合が生じた場合に正常な状態に保つために行われる業務です。具体的には次のような業務を行うことが一般的でしょう。

  • アプリケーションやOSのアップデート作業
  • 不具合の出た機器交換
  • トラブル対処、復旧
  • トラブル再発防止検討
  • 機能追加、新システムの導入

保守業務は突発的な業務が多く、作業内容が非定型的になることが特徴です。非定型的な作業でもあるため、サーバーやネットワークに関して知識のあるメンバーを担当させておくと良いでしょう。さらに、ハードウェアのベンダーへの連絡先も把握しておく必要があります。

サーバー管理者が把握しておくべき知識

各サーバーに関して最低限の知識を持っておくと対応がスムーズにいくはずです。サーバー管理者は、次のような知識を持っておくことをおすすめします。

サーバーのOSに関する知識

サーバーにはWindowsサーバーやLinuxサーバーなど、さまざまなOSが入ったサーバーがあります。そのため、複数のOSに関する知識が無いと運用、保守ができません。それぞれ操作方法やコマンドなども異なるため、OSに関する知識は必須と言えるでしょう。

ネットワークに関する知識

システムを運用していると、しばしばネットワーク装置のトラブルが起きる傾向にあります。その際に、ネットワーク装置を操作して状態を確認したりネットワークについての体系的な知識を持っていたりすると、トラブルに迅速に対応できるはずです。

セキュリティに関する知識

システムを管理する上で、情報漏えいやマルウェア対策などのセキュリティに関する対応は必須となります。セキュリティソフトを導入したり、ファイアウォールの機能を持つ機器を導入したりすることも多いので、それらに関する知識も必要です。

クラウドコンピューティングに関する知識

昨今ではシステムの構築を迅速にできたり、管理が容易になったりするクラウドコンピューティングサービスを利用する企業も増えてきました。もし自社システムがクラウドコンピューティングを利用しているならば、その知識も必要となります。なお、クラウドコンピューティングについては後ほど解説しますので、参考にご覧ください。

また、ITに関する多くの資格がありますが、資格を持っていなければサーバー管理者になれないことはありません。しかし、資格を持っていることでサーバー管理に活かせるため、次のような資格は取得しておくと良いでしょう。

①LPIC(またはLinuC)

Linuxに関する資格で、レベルが1から3の3段階あります。Linuxサーバーを操作するのであれば、最低でもレベル1の知識を持っておくのがおすすめです。

②MCP(マイクロソフト認定資格)

マイクロソフト製品に関する資格で、製品やバージョンによって資格が細分化されています。Windows製品を扱うにあたって、持っておくとスキルを証明することができるでしょう。

サーバー管理の方法

ここでは、サーバー管理のおすすめの方法について解説します。サーバー管理の方法は、大きく分けて以下3つです。

  • 自社ですべてサーバー管理を行う
  • 外部にサーバー管理業務を外注する
  • クラウドコンピューティングサービスを利用する

それぞれの管理方法についてメリットやデメリットをご紹介しますので、自社のサーバー管理方法の参考にしてください。

自社ですべてサーバー管理を行う

自社でシステムを構築し、その後の運用保守もすべて自社で行う方法です。自社ですべてサーバー管理を行うことのメリットは、自社業務に求められる要件を最適にカスタマイズしやすく、システム全体の機能を迅速に向上させやすい点にあります。他社がサーバー管理に関わる場合には、各種調整が必要となるためスピード感に欠ける場合もあるためです。また、セキュリティに関する情報が他社に漏えいしてしまうリスクも比較的低いと言えるでしょう。

自社ですべてサーバー管理を行うことのデメリットは、金銭的にも時間的にもコストが増大してしまう場合があることです。例えばシステム障害が発生し、対応に時間がかかった場合その分運用コストもかかるでしょう。特にOSやネットワーク、ストレージに関する知見を持つ人がいない場合、障害対応に時間がかかる可能性もあるため注意が必要です。

外部にサーバー管理業務を外注する

自社システムの管理を外注する方法です。外部にサーバー管理業務を外注することのメリットは、自社の社員の負担が軽減されることで本来の業務に集中できること。サーバー管理はシステムを運用するにあって重要な業務ですが、それ自体が収益を生み出すわけではないため、リソースの効率的な活用と言う観点からもメリットが大きいでしょう。さらに、管理業務を外注することで高度なスキルを持つ人材を迅速に確保できることも大きなメリットです。

外部にサーバー管理業務を外注することのデメリットは、情報漏えいのリスクがあることです。外部業者にシステムを扱わせる以上、情報が漏れてしまう可能性もあるので重要な業務データの取り扱いには注意が必要となるでしょう。

クラウドコンピューティングサービスを利用する

AWS(アマゾンウェブサービス)やAzure(アジュール)などのクラウドコンピューティングサービスを利用することです。クラウドコンピューティングサービスを利用することのメリットは、社内で故障した機器を調達したりスキルのある人材を確保したりする必要がないこと。さらに、サーバーの管理業務の多くが不要となります。すべてインターネット上で完結し、操作も容易であるため工数の大幅な削減が見込まれるでしょう。

クラウドコンピューティングサービスを利用することのデメリットは、インターネット上で障害が起きた場合システムの利用が不可になることです。インターネットを通じて利用する以上、このリスクは避けられません。そのため、必要に応じてオンプレミス環境との併用をすることが望ましいでしょう。

サーバー管理のおすすめツール

ここでは、おすすめのサーバー管理のツールについて解説します。

Cockpit

Cockpit は、Linux サーバーを管理できるWebツールです。LinuxのOSですが、ブラウザからGUIで操作できることが特徴。Web画面からの操作となるため、通常のコマンドラインでの操作に慣れていない人でも下記のような操作することが可能となります。

  • ユーザーアカウントの管理
  • サーバーの停止や再起動の実施
  • ネットワーク設定変更、管理
  • サーバー負荷状況の監視(CPUやメモリ)
  • ログの確認

LinuxのOSの構築時にcockpitをインストールすることで利用可能となります。

RSAT(Remote Server Administration Tools)

RSATは、Windows 10などのクライアントPCからWindows サーバーをリモートで管理できるツールです。Windowsサーバーを操作するにはリモートデスクトップ経由でサーバーに入り操作をする必要がありますが、RSATを利用することでWindowsサーバーに入っている管理ツールをクライアントPCに導入して下記のような操作をすることが可能となります。

  • Active Directoryの管理
  • クラスタの管理
  • イベントビューア、タスクスケジューラなどの操作
  • PowerShellやコマンドの実行

Windows10からはRSATはOSに同梱されており、機能を有効化することで利用できるようになります。その他のOSでもMicrosoft社のWebサイトよりファイルをダウンロードし、インストールが可能です。

▼Microsoft社ダウンロードサイト

https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=45520

まとめ

サーバー管理は、まず初めに以下のようなポイントを意識しておくことをおすすめします。

  • 運用業務と保守業務にそれぞれどのような作業が発生するか覚えておく
  • サーバー管理業務を自社で行うか、外注するかを決めておく
  • 工数削減のために管理ツールの導入を検討する

TD シネックスではサーバーに関するお問い合わせも受け付けております。不明点などある際には、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。

▼TD シネックスお問い合わせフォーム

https://www.synnex.co.jp/inquiry

▼参考

https://docs.microsoft.com/ja-jp/troubleshoot/windows-server/system-management-components/remote-server-administration-tools

https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/8/html-single/managing_systems_using_the_rhel_8_web_console/index

著者プロフィール

中村陽平

8年間インフラエンジニアとして、システム開発から運用まで幅広く経験し、フリーランスとして独立する。IT技術に関する記事や転職、フリーランスに関する記事も多数執筆中。現在は官公庁系システムのネットワークの設計~構築・運用まで携わっている。得意分野はネットワークの設計、構築(Cisco機器)。

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