無料で始められるGoogleのBIツール「Looker」とは?

会社のデータの調査、共有、可視化を支援するツールとして優れている Looker プロダクトについて、Looker Studio、Looker Studio Pro を中心に機能と特徴をご案内いたします。

Looker とは

Looker とは、Google が提供しているビジネス インテリジェンス プラットフォームです。 会社のデータの調査、共有、可視化を支援するツールであり、ビジネス上の意思決定をより的確に行うために利用するためのプロダクト群です。
本記事では、Looker Studio、Looker Studio Pro、Looker の 3つのプロダクトのうち、Looker Studio、Looker Studio Pro を中心にご紹介します。

Looker プロダクト

Looker プロダクト には、Looker Studio、Looker Studio Pro、Looker の 3つのプロダクトがあります。
Looker は、プロダクトとしての 「Looker」 と プロダクト全体を指す 「Looker」 の2つの場合があります。 本記事では、プロダクト全体を指す場合は 「Looker ファミリー」と記載します。

Looker Studio と Looker Studio Pro は、端的に言えばセルフサービスのBIツールであり、数多くのデータソースを結合・可視化し、グラフ、表、レポートなどで表現可能でインサイトを共有するのに非常に優れています。

Looker(Google Cloud コア)は、Google Cloud コンソールから Looker インスタンスを構成・作成するデータプラットフォームです。

BI ツールにカテゴリされますが、可視化部分以上に BigQuery などの大量データを扱うデータソースを直接参照し、データを加工するための機能が充実しており、LookML という独自言語を利用して、可視化しやすくするための機能が充実しています。

Lookerで加工したデータをLooker Studioをはじめ、コネクテッド シート、Microsoft Power BI、Tableau、ThoughtSpotなどで可視化する事も可能です。

ビジネス データから分析情報の取得を容易にし、統合された指標を使用してコラボレーションを可能にすることでデータドリブン アプリケーションを構築することができます。

エディション概略
Looker Studioデータの可視化に優れているBIツール
Looker Studio ProLooker Studio のチーム管理機能を強化したエディション
LookerLookMLを始めとして、BigQueryなどのデータソースを各種BIツールで活用しやすくするための強力な機能を提供しているサービス

上記の通り、Looker ファミリーの中でも、Looker は利用目的が変わってくるため、本記事では、Looker Studio、Looker Studio Pro について詳しく見ていきます。

Looker Studio

Looker StudioはGoogleが提供するBIツールで、以前はデータポータル(Data Studio)という名称でした。2022年のGoogle Cloud Next’22でLooker製品としてリブランディングされ、現在はLooker Studioに名称が変更されています。旧称に慣れ親しんでいる方もいるかもしれませんが、Looker Studioになっても機能面での変更はなく以前と同様に利用できます。

ビジネスの意思決定において有効であり、データを分かりやすく視覚化することに長けています。無償で利用可能で、Google Workspaceの有料版エディションの契約やLooker Studioへの登録は必要ありません。

公式ページではLooker Studio をこのように紹介しています。

  • 魅力的なレポートや可視化したデータを作成して共有することで効果的に伝える
  • 800 以上のデータソースに簡単に接続してデータを統合
  • 直感的なスマート レポートでデータを効果的なビジネス指標と項目に変換
  • 自動化されたダッシュボードを共有して、主要なビジネス指標でチームを強化
  • 数回のクリックで、意味のある、共有可能、カスタマイズ可能なチャートやグラフを作成

では、主な特徴についてみていきましょう。

使いやすい Web インターフェース

Looker Studio は Webブラウザ上で動作し、直感的な操作で高機能なグラフや表を簡単に作成することができます。
ドラッグアンドドロップオブジェクトを備えており、見た目の整形もデータの加工も非常に快適に行うことが可能です。
表計算ソフトでグラフを作成したり、プレゼンテーションソフトで画面を整えるような手軽さで、データを表現できます。

簡単なデータ接続

Looker Studio では Google アナリティクスや Google Sheets (スプレッドシート) 等のGoogle 製品はもちろん、Google 製品でないデータとも接続可能です。
接続可能なデータソースは800を超えており、非常に多くのデータソースへ接続できます。
データソースのコネクタには、Googleが用意したデータのアクセスと使用を保障している事前構築済みコネクタと、Looker Studio のパートナーが用意しているコネクタがあります。
コネクタによってデータソースが Looker Studio 上で集約できるので、データがプラットフォームに依存していたり、ひとつの場所にまとめられなかったりする場合においても、データソース間のデータを比較・結合させることが簡単にできるようになります。

豊富なレポートテンプレート

テンプレートライブラリが用意されており、アナリティクスや Web 広告のレポートといった一般によく使われるものが登録されています。
よく使われるテンプレートを選択してカスタマイズすることも、白紙から作成することも可能です。
テンプレートのデータソースを利用したいものに差し替え、デザインやトンマナを整えれば、数分でレポートを作成・データの可視化ができます。

レポートの埋め込みが可能

Looker Studio は iframe としてサイトやアプリに埋め込むことが可能です。
データソースが修正された場合でも、接続されているデータは更新されるため、作成した資料を修正する必要がなく、データの更新忘れや最新のデータを反映した版の作成などの手間を省くことができます。
また、レポート内にコントロール機能を持たせることもできるため、埋め込んだ Looker Studio 上のデータに対して閲覧者が期間設定やフィルタリングを行うことも可能です。
チーム内の共有や公開資料としての利用にも効果的にもちいることができます。

非エンジニアでもデータソースが活用可能

データ接続と参照が簡易なため、SQLなどのデータベース言語が分からなくても Looker Studio を用いれば、BigQuery などのデータを扱うことができます。
接続したどのデータソースを使うか、データソースから何のデータを使うか、どの形で表現するかをクリックしていけば、簡単にレポートデータを出力することができます。

また、データソースの呼び出しが簡単なことに加えて、数値の計算、データフィールドやフィルターなどを Looker Studio 上で定義して適用することができます。
マーケターや営業職などの非エンジニアの方でもデータの利用・加工ができるため、資料作りのスピード向上も期待できます。

Looker Studio Pro

Looker Studio Pro は、Looker Studio の有償プランです。
Looker Studio で利用できるすべての機能に加えて、組織として管理・運用していくための機能が強化されています。
具体的な特徴について見ていきましょう。

メンバーの効率的な管理

共有スペースの機能のチームワークスペースにより、個人またはGoogleグループへの共有設定が可能になります。
また、チームワークスペースにはいくつかロールが用意されており、メンバー管理に適したきめ細かく権限の設定を行うことができるようになります。
Google Workspace で例えるなら「Google ドライブのマイドライブにあるファイルを個別共有していた状態」から、「グレードアップして共有ドライブが使えるようになってチームでの共有がより便利になる」といった感じに近いでしょうか。
無償版の Looker Studio では、メンバーやロールの管理はファイル1つ1つに設定しなければならないため、多くのファイル・多くのメンバーが関与する場面ではこの機能は必須と言えるでしょう。

組織全体を可視化

Looker Studio Pro と 紐づいた Google Cloud プロジェクトにおいて、管理者は Identity and Access Management(IAM)を使用し、組織内のアセットを表示・変更する権限を管理者に付与することが可能になります。
これにより、扱いが不明瞭になりがちな孤立したレポートやアクセスの問題を解消することができます。 ユーザー個人が作成したアセットの所有者が組織に属するようになり、ユーザーアカウントが削除された場合でもアセットは削除されません。
Google Workspace で例えるなら「共有ドライブで作成したファイルのオーナーは組織なので、退職者がオーナーだったファイルも適切に管理できる」というようなイメージです。
また、Dataplex に Looker Studio のコンテンツを取り込む作業も進められており、Looker Studio のレポートが、BigQuery のテーブルにどのようにリンクするか可視化できるようになります。
現在この機能はプレビュー版として提供されているため、利用を希望される場合はお問い合わせください。

公式サポート

Google Cloud カスタマーケア チャンネルを通じたサポートを受けることが可能です。
Looker Studio Pro は、ベーシックサポート、スタンダードサポート、エンハンスとサポート、プレミアムサポートの4種類とは別に、包括サポートに含まれています。
包括サポートでは、サービスの停止と不具合、予期しないプロダクトの動作、プロダクトの使用方法、課金に関する問題、機能リクエストについて、無制限の 1 対 1 のテクニカル サポートが利用可能です。

Looker Studio Pro の利用を開始する

利用要件

Looker Studio Pro を利用するためには、以下の要件を満たしていることが必要です。

  • Google Cloud の利用があること
  • 組織の Looker Studio Pro リソースの管理に使用する Google Cloud プロジェクトがあること
  • Looker Studio Pro プロジェクトを Google Cloud 請求先アカウントにリンクさせること
  • Looker Studio Pro に使用する Google Cloud プロジェクトに対する Looker Studio Pro マネージャーの権限を所持していること

サブスクリプション(料金)を選ぶ

Looker Studio Pro には、区分型料金モデルと月間アクティブユーザー料金モデルの 2つのサブスクリプションがあります。
いずれも最低契約期間が設けられており、1ヶ月のご利用が必要になっています。

区分型料金モデル

ユーザー数に応じたアカウントを購入するモデルです。
費用は Google Cloud のプロジェクトごとにユーザー 1 人あたり 月額料金 9 ドル となっています。(2023年12月現在)
区分型料金モデルの場合、Looker Studio(無償)とLooker Studio Pro(有償)を組み合わせて使用することができます。
(アクティブユーザー料金モデルで無償版と組み合わせることは不可です)

月間アクティブユーザー料金モデル

月額固定金額ではなく、その月に Looker Studio 上でアクティブユーザーとしてカウントされたアカウント数の費用を支払うモデルです。
月間1,000ユーザーが最小要件として要求されますが 1 ユーザーあたりの金額は区分型料金モデルよりも低コストで利用することが可能です。

開始方法

Looker Studio Pro の利用を開始するには 以下の2つ方法があります。

  1. Looker Studio ページの 「Pro サブスクリプション」から申し込む
    サブスクリプションは区分型料金モデルのみとなります。
  2. 営業担当者に問い合わせる
    サブスクリプションは月間アクティブユーザー料金モデルを選ぶことができます。
    こちらからお問い合わせください。

おわりに

以上、Looker Studio と Looker Studio Pro についてご紹介しました。
導入のハードルが低く、必要に応じてチーム管理機能が利用できる Looker プロダクトを導入し、ビジネスにおける迅速な意思決定にお役立てください。
今回の記事では割愛した Looker も含め、Looker Studio についてご興味がありましたら、TD SYNNEX までご相談ください。

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ITディストリビューターであるTD SYNNEXはGoogle Cloud™ Partner Award を受賞するなど、長年にわたりGoogle™のグローバル認定ディストリビューターとして、総合的な Googleソリューションを提供しています。お客様にとって最適なソリューションの提案や導入、活用をサポートします。

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