BCP(事業継続)

Anker Solix C1000で厚生労働省のBCP要件を満たす
72時間分の非常用電源を確保

導入企業

株式会社クラーチ

クラーチ・ファミリア西新宿は、株式会社クラーチが運営する介護付きホームの1つ。同社が提供する「クラーチ・ファミリアシリーズ」は、こだわり抜いた上質な住空間を彷彿とさせるリゾートスタイルのホームであり、“家族のように毎日を笑顔で過ごせる”空間となっている。また、24時間の看護体制と、健康寿命を延ばす食事プログラムで安心の生活を支えており、定期的な散歩と先進的な歩行解析で健康を維持し、毎月の外出機会を通じて社会的なつながりも深めている。

導入プロダクト

Anker Solix C1000

クラーチが運営する介護付きホーム「クラーチ・ファミリア西新宿」は、自然災害などに備えたBCP強化を進めている。特に大きな課題は非常時の電力確保であり、厚生労働省が義務付ける「72時間分の非常用電源の備蓄」の要件を満たす電源装置を導入する必要があった。そこで従来のエンジン発電機に代わるバッテリー式のポータブル電源として「Anker Solix C1000」を導入し、災害時の事業継続性確保を実現。排気や騒音、環境面の心配がなく、居室にも簡単に持ち運べるなど、利便性向上にも寄与した。

目次

停電時の電源確保はご入居者の生命にもかかわる重要課題

「ヘルスケアの産業化」をビジョンに掲げるユカリアグループの一員として、高齢者向け住宅を20年以上にわたり運営してきたクラーチ。超高齢社会の日本においてそのニーズはますます高まっており、現在は東京・神奈川・千葉の3都県に住宅型や介護付きホーム12ホームをはじめ、サービス付き高齢者向け住宅やデイサービス5事業所を運営している。
クラーチ・ファミリア西新宿も、同社が運営する介護付きホームの1つである。地下鉄駅から徒歩圏内の便利な立地を生かしつつ、24時間の看護体制や栄養に富んだ食事プログラムなど、ご入居者の安心の生活を支えている。
ただ、そんなクラーチ・ファミリア西新宿においても、さらなる改善が求められる課題があった。それは多発する自然災害などに備えたBCP(事業継続計画)の強化である。同社クラーチ・ファミリア西新宿 ホーム長の堤 賢二氏はこう語る。
「厚生労働省による介護施設における災害発生時の業務継続ガイドラインにも、電力、水、食料をはじめとした『最低でも3日間(72時間)の備蓄』が義務付けられていますが、なかでも重要度が高まっているのが電力確保です。近年のDX化の進展に伴い、電力を必要とする設備が増加していることから、電源確保はご入居者の生命にもかかわるクリティカルな課題となっています」(堤氏)

もちろん従来からも自家発電設備やポータブル発電機などを備えていたが、BCP強化には不足している点も多々あった。まず自家発電設備については、施設内で利用できるコンセントが限られるという問題があった。一方のポータブル発電機もガソリンや軽油などで稼働させる必要があり、なおかつ一人では持ち運べないほど筐体のサイズが重く、排気や騒音による弊害も避けられなかった。

安全性や携帯性だけでなく、TD SYNNEXの親身なサポート対応も高く評価

実際、2019年9月に日本を襲った台風15号により千葉県で発生した大規模停電では、同社の別施設も大きな影響を受け、日常的な医療的ケアを必要とする度合いが高いご入居者への電源確保に苦労した。
こうした経験も踏まえつつ同社が検討を開始したのが、よりコンパクトで長時間稼働可能なバッテリー式のポータブル電源の導入である。
「2024年度に東京都が社会福祉施設などに対して、非常用電源整備のための補助金を交付する事業を開始したことにも背中を押されました」(堤氏)
もっとも一口にポータブル電源といっても、市場では様々なメーカーの製品が乱立した状況にある。そうした中で同社が最終的に選んだのが、大容量ポータブル電源の「Anker Solix C1000」である。
「導入の決め手となったのは、ほかでもない安全性です。多くの高齢の要介護者が暮らすホームとして、バッテリーからの発火や発煙などの事故は決して起こしてはなりません。その点、Anker Solix C1000は一般的なリチウムイオン電池よりも安全性が高いとされるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用するとともに、最も厳しい試験と言われる『釘刺し試験』(※)にも合格していると聞き、安心を得ることができました」(堤氏)
そのほか同社は、Anker製ポータブル電源ならではの下記の特徴を重視したという。まずは「耐久性(長寿命)」。バッテリーだけでなく製品全体の寿命が10年と長く、3,000回以上の充放電サイクルにも耐えられる。

次に「メンテナンス性」。一般的なポータブル電源は60~80%での保管を推奨しているのに対して、Ankerのポータブル電源はバッテリー容量に適切な余裕を持たせることで、100%満充電状態で保管してもバッテリーが劣化しにくい設計がされている。むしろ「コンセントへのつなぎっぱなし」を推奨しており、運用の利便性が高い。
そして「サポート体制」。Ankerは、日本国内で50人程度のアフターサポート部隊を自社運営しており、電話、LINE、公式ホームページやアプリのサポート機能など、様々な窓口を通じた問い合わせが可能だ。また、万が一製品に不具合が起
こった場合も、迅速な交換や修理などの対応が行われる。
特にサポート面に関して、TD SYNNEXの対応を高く評価している。
「例えば前述した東京都の補助金を申請するためには、様々な関連書類を添付しなければならないのですが、TD SYNNEXは私たちのリクエストに迅速に対応し、必要な資料や文書を取り揃えてくれました」(堤氏)
TD SYNNEX コンシューマビジネス部門 ECサービス本部 デジタルデータサービス部 部長の橋本 裕人も、「Ankerと当社が緊密なタッグを組み、クラーチ様のご要望のヒアリングから課題解決に資する最適製品の提案、コンサルティングまで一貫してあたったことで、高い信頼をいただくことができたと自負しています」と語っている。

※釘差し試験:バッテリーに実際に釘を刺すことで内部短絡を擬似的に発生させ、発火・発煙しないか確認する試験

軽量化と簡便操作を実現するAnker Solix C1000で非常時の対応力が劇的に向上

こうしてクラーチでは、クラーチ・ファミリア西新宿ならびに同様の介護付きホームであるクラーチ・エレガンタ本郷の2ホームにおいて、それぞれ4台のAnker Solix C1000を導入するに至った。
「通常はコンセントにつないだ満充電状態で保管しており、災害発生などの非常時に酸素吸入器や吸引器などの医療機器用電源としてすぐに持ち出せる体制を整えています。従来の発電機と比べて筐体は大幅に軽量コンパクトになり、設置スペースは半分以下となりました。さらに、稼働時に必要となっていたガソリンなどの燃料タンクまで含めれば、保管スペースはさらに削減されています。導入してから現在まで大規模停電を伴う災害は発生していないため、実際にAnker Solix C1000を稼働させたことはまだありませんが、排気や騒音の心配がなく、コンセントを差し替えるだけの簡単な操作で扱えることから、非常時におけるスタッフの負担軽減にも寄与すると考えています」(堤氏)
なお、同社は年2回行っている消防避難訓練にあわせて、Anker Solix C1000の動作確認を行っている。
「従来の発電機では重すぎて一人での持ち運びが難しかったのですが、Anker Solix C1000ならまったく問題ありません。エレベーターが使えない災害時でも、上階のご入居者に迅速にポータブル電源を届けられるメリットを確認することができました」(堤氏)

平時の活用も視野に投資対効果の向上を図る

もっともクラーチ・ファミリア西新宿に導入されたAnker Solix C1000も4台だけでは十分とは言えない。介護付きホームをはじめとする福祉施設におけるBCPは単に災害対策だけでなく、感染症対策やサイバーセキュリティ対策など、多角的な観点からの強化が求められるようになっているからだ。一方では、先にも述べたDX化の進展によって、様々なシステムや機器に対する電源確保の重要性もさらに増している。
「その意味でもポータブル電源の増設は不可欠であり、AnkerとTD SYNNEXの両社には引き続き親身なサポートと提案を期待しています。また、導入したポータブル電源を非常用として待機させておくだけでなく、例えば屋内外で開催している様々なイベントなど、平時の活用も進めることで、投資対効果を高めていきたいと考えています」と堤氏は今後を展望しており、BCPの最適解を求めていく考えだ。

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