TD シネックスを支えるキーパーソンに聞く~Part1~ TD シネックスのマルチクラウド戦略とは?

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TD SYNNEX株式会社 プロダクトマネジメント部門 マルチクラウド本部長 野村 由貴

いま、コロナ禍の追い風を受けて大きく伸びているビジネスのひとつに、マルチクラウドビジネスがあります。マルチクラウドビジネスとは、複数のクラウドサービスを組み合わせて、最適なIT環境の実現をサポートするビジネスのことです。テレワークの浸透などによって、マルチクラウドの需要はますます高まりを見せ、クラウド移行による業務の効率化は、企業の働き方改革の推進にもつながっています。

今回は、当社でそのマルチクラウドサービスを展開しているプロダクトマネジメント部門のマルチクラウド本部長・野村由貴氏に、マルチクラウドへの取り組みについて伺いました。

オンプレミスでシステムを稼働する企業のクラウド移行を推進

――野村さんの担当領域と業務内容、取り扱うテクノロジーについて教えてください。

私は「マルチクラウド本部」という部署に所属しており、名前の通りクラウドのビジネスを担当しています。ベンダーとしてはMicrosoftやGoogle、IBMなどがあり、マルチクラウドのビジネスを成長させていくことをミッションにしているチームです。

――マルチクラウド本部のミッションについて、お聞かせください。

オンプレミスでシステムを稼働している企業様について、クラウド移行への支援を推進していくことを当事業部のミッションとしています。

例えば昨今は、コラボレーション・ワークの重要性が盛んに言われております。その中で当事業部では、Microsoft365やGoogleワークスペースといったSaaSのクラウドサービスを、エンドユーザー様にご提案していくことを考えているのです。最新のIT環境を整えていただくことによって、働き方をより効率的で便利に変えていけるよう支援させていただいています。

SaaSだけでなく、PaaSやIaaSのクラウドサービスにも力を入れております。これまで企業様がオンプレミスのサーバー環境で運用されていたシステムを、クラウドへ移行していただく価値についてご提案させていただいています。

――具体的にはどのような提案を行っているのですか?

働き方改革の推進を考える企業様に関しては、どうすれば効率的に働けるのかという観点から具体的なご提案を差し上げています。例えば、アクセス環境を整えて外出先でもメールを確認できるようにしたり、端末にとらわれずスマートフォンでやり取りできるようにしたりといった形です。

これまで、営業の方が出先でお客様にプレゼンをするときは、プレゼン資料を印刷してお客様に配付するのが一般的でした。しかし、クラウドストレージを使って資料を保存しておくことで、データでプレゼンできるようになります。その結果、お客様が会社に戻って印刷するといった業務を省けるので、業務時間の短縮にもつながるでしょう。

また、コロナ禍の影響によってリモートで働く人が増え、急激に働き方が変わってきています。そんな中、リモート勤務でもスムーズに仕事ができる環境を実現するグループウェアのクラウドサービス、クラウドVDIのニーズが増えてきているようです。実際に当事業部も、コロナ禍で非常に大きく事業が伸びています。

クラウドサービスのポートフォリオを強化し、お客様に提案できる商材を増やしたい

――マルチクラウド本部は2021年12月に新たに立ち上がった部署ですが、これまでのクラウドに関する取り組みとは、どのような違いがあるのでしょうか? 

当部はマルチクラウドのための事業部なので、クラウドサービスを利用されるお客様を探すだけでなく、ビジネスを協業させていただくベンダーを増やすための活動も行っています。また、MicrosoftやGoogleといった戦略的なベンダーのクラウドソリューションをより便利に使える、エコシステム系のアドオンのソリューションなども増えてきました。当部では、より企業様にご満足いただけるクラウドサービスをご支援できるよう、新たなソリューションのポートフォリオを追加しております。

お客様のソリューションのニーズ、あるいは抱かれている課題は多種多様です。そのため、当部もマルチクラウドのためのさまざまなソリューションを持つことによって、より最適なものをご提案させていただければと思っています。

もちろん、企業にとって最適なソリューションというものはその時々で違ってきますし、ひとつに限定するものでもありません。ただし各サービスは、「これとこれを組み合わせると、こういうこともできる」といったように組み合わせることも可能です。当部では、そうしたソリューションという観点からのご提案の強化に、今後も力を入れたいと思っています。

――日本の企業においても、クラウドの活用や普及が大きく進んできています。そういった中で、マルチクラウド本部はパートナーに対し、今後どのような価値を提供していくご予定でしょうか?

まず、クラウドサービスのポートフォリオを強化して、ご提案できる商材を増やしていくということが挙げられます。また、パートナー様に取り扱っていただけるサービスの数を増やし、ひとつのソリューションからさらにアップセルやクロスセルにつながるような取り組みをしたいと考えています。システムを導入して終わりではなく、さらにお客様のカスタマーサクセスにつながるような提案活動に発展させていきたいですね。

――今企業においても、DXの推進がここ数年来の大きなトピックとなっており、そのファーストステップとしてのクラウド移行(リフト&シフト)が注目されています。その点について、特に中小企業や地方におけるクラウド移行で、現状一番大きな課題はどこにあると感じていますか?

当社はIT分野のディストリビューターとして、中小企業をはじめクラウド事業者や実際に導入に携わっているSIerなど、さまざまなステークホルダーの方々と関わらせていただいております。そんな中で日々感じているのは、地方における中小企業のクラウド移行のもっとも大きな課題は、DX推進する人材が企業の中にいないということです。

クラウド移行を進めるのであれば、その業務に携わる人材を育成していかなければなりません。そういったところに、中小企業の大きな課題があるのではと思っており、TD シネックスでは今後その取り組みを支援したい考えがあります。

――マルチクラウド本部の、今後のビジョンについてお聞かせください。

当部はマルチクラウドを提供するセクションですので、クラウドサービスのソリューション自体の扱いを幅広くしていく必要があります。そのために、ポートフォリオやエコシステムを強化していくことが今後のビジョンのひとつです。

そうすれば、ひとつのソリューションだけではなく、お客様の多種多様なニーズに柔軟な対応が可能になります。お客様のニーズに応じて、より適したクラウドサービスのアイテムを提案していきたいと考えているのです。ひとつのソリューションだけではなく、複数のサービスを組み合わせるといった形のソリューションの提案を、さらに強化していきたいですね。

グローバルでのサポート体制が、TDシネックスの大きな強み

――当社はTD シネックスというグローバルグループの一員ですが、アメリカのクラウド事情と比較して、日本の現在のクラウド事情はどうでしょうか?クラウド活用については、アメリカの方が先をいっていると思われますか?

はい。社会全体のマーケットとして、アメリカの方が先行しているという印象は受けています。特にセキュリティに関するソリューションのご提案に関して、日本はアメリカと比較して導入がまだ十分に加速していません。

なぜかというと、お客様のセキュリティに対する意識について、まだ日本は希薄な部分があるからです。中小企業の方々がセキュリティに関してクラウドサービスを利用しようという発想に至らないケースが多く、その辺に課題があると感じています。

――クラウドビジネスの面で、グローバルのシナジー効果が発揮されたと考えられる点や、今後発揮されそうな点はありますか?

TD シネックスの本社がアメリカのカリフォルニアにあるということは、IT事業を行うにあたって非常に大きな強みです。本社はカリフォルニア州の中でも、さまざまなIT企業が集結している場所にオフィスを構えております。そのため、最新のIT事情やテクノロジーをキャッチアップしているというところは大きいでしょう。

日本のTD シネックスにおいてグローバルな効果が発揮されたひとつの例としては、現在当社がパートナー様にご提供させていただいている「Cloudsolv(クラウドソルブ)」や「Storefront(ストアフロント)」といったプラットフォームが挙げられます。

Cloudsolvはクラウドソリューションにフォーカスしたリセラー向けポータルサイトで、販売店様がわかりやすくクラウドソフトウェアをポータルで発注・管理できるツールです。アメリカのシネックス本社で実績のある独自ポータルサイトを、当社が日本で展開しています。

Cloudsolvのプラットフォームを使うことによって、自動更新やプロビジョニングといった業務を連携させ、自動化させることが可能です。例えば販売店様のポータル上でユーザーがオーダーすると、迅速にサービスを提供できる状態をCloudsolvによって実現できます。リセラーの方々には、クラウドサービスをオーダーするときの手続きの速さや、オペレーションの負荷の少なさを実感いただけているのではないでしょうか。

また、StorefrontはCloudsolvのプラットフォームから派生した機能のひとつで、販売店様のECサイトとして、クラウドサービスをEU様に販売いただけるプラットフォームをご用意しております。こうしたプラットフォームはアメリカの開発メンバーとチームで開発しており、もちろん日本でローカライズしているのですが、その基盤があるということはシネックスの大きな強みではないかと思っております。

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