古いPCがよみがえる!Chrome OS Flex の機能と導入のメリット
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手元のデバイスを Chrome OS として活用可能にする Chrome OS Flex について、活用場面と基本的な機能についてご説明します。
はじめに
デジタルデバイスは日々進化しており、最新モデルがいつの間にか型落ちになっているということも少なくありません。
こうした「壊れているわけではないが、使用するには少々難がある」という端末を、なんとか活用したいと思ったことはないでしょうか。
この記事では、手元のデバイスを Chrome OS として活用可能にする Chrome OS Flex というプロダクトについてご紹介します。
Chrome OS Flex とは
Chrome OS Flex とは、Chrome OS を Windows や Mac のデバイスで動作させる OS のことです。
インストールすることで、対象のデバイスを ChromeOS として利用することが可能になります。
Chrome OS Flex の利用自体は無償であり、環境さえあれば気軽に試してみることができます。
導入するメリット
Chrome OS Flex を導入するメリットは、以下のとおりです。
既存端末活用によるコストの削減
最も大きなメリットは、古い端末を利用し、無料で Chrome OS として利用可能にすることです。
Chrome OS Flex は無料のプロダクトであり、の導入自体には費用が発生しません。
既存の OS で動かすには遅く、セキュリティや管理の面から問題がある端末を、費用を使うことなく Chrome OS Flex に生まれ変わらせることができるのです。
「端末の買い替え時期が決まっており、それがまだ先」、「予算がおりないので端末を買い替えられない」など、すぐに新しい端末の購入が困難な場合に心強い味方となってくれます。
廃棄コストの削減と環境への配慮
パソコンなどの端末は資源有効利用促進法により、処分する場合にメーカーによる回収とリサイクルが義務付けられています。
法人のパソコンを処分する際は、個人の場合と異なり、回収再資源化料金が発生します。
その際、単に処分する費用だけではなく、メーカへの問い合わせや書類の作成などのコストも発生します。
Chrome OS Flex では、既存の端末を処分しないでに活用するため、こうした処分に関わるコストを削減できます。
また、端末を捨てないで済むため、電気電子機器廃棄物(e-waste)などの環境問題になるゴミが発生しません。
端末を「再利用」することで自然環境の保全にも繋がります。
このように、Chrome OS Flex を導入することで、企業のコスト削減と環境保全への貢献の両立が実現できます。
快適な動作
Chrome OS は、ウェブブラウザに特化した OS として開発されています。
Google Workspace など、ブラウザ上で完結するアプリと非常に相性が良いのです。
単純に言えば、デバイスがウェブブラウザが使えれば動かせるというようなもので、Windows や Mac などの OS と比べ、低スペックのデバイスでも動作させられるのが特徴です。
そのため、Windows や Mac で動作が鈍くなったデバイスに Chrome OS Flex をインストールしても、Chrome OS 並みの活躍が期待できます。
OS 自体が軽いため、起動が早く、使い続けても速度は低下しません。
また、Chrome OS Flex は4週間ごとにバックグラウンドで更新されるため、最新の作業環境を保つことも容易です。
セキュリティ
実行可能ファイルのブロックやサンドボックス技術によって保護されているため、ウイルス対策ソフトを導入する必要がありません。
ランサムウェア攻撃については、被害の報告件数がゼロ件であり、実績の面でも問題はないと言えるでしょう。
また、データ自体も IT 管理されているため、デバイスが紛失・盗難に遭っても、データの損失を防ぐことができます。
なお、Chrome Enterprise Upgrade/Chrome Education Upgrade(以下、CEU)と併用することでセキュリティをより強固にし、ビジネスに求められる機能を強化することが可能です。
CEU を併用することで、より安心・安全に Chrome OS Flex の利用が可能になります。
デバイスの一元管理
他の Chrome OS と同様に、管理コンソール上でデバイスを一元管理することが可能です。(利用にはCEUの利用が必須です)
教育機関であれば、生徒のデバイスと教師のデバイスを同じように制御できるようになるため、デバイスの管理効率が高まります。
デバイスの一元管理の他、セキュリティの強化、各種ポリシーの適用など、組織のデバイス管理に必要な機能も設定できます。
こうした機能は、すでに CEU をご利用の場合、それまでの管理の中に Chrome OS Flex が追加されるだけであるため、新たな手間も発生しません。
Chrome Enterprise Upgrade/Chrome Education Upgrade と併用することのメリットについては、次の記事で詳しく説明しています。
関連:Chrome OS Flex と CEU を併用するメリット
注意事項
Chrome OS Flex は、もともと Chrome OS であるデバイスと全く同様の機能を有しているわけではありません。
セキュリティ、サポートしている VM とアプリ、ハードウェアのサポートとパフォーマンス、管理など、一部の機能について違いがあります。
そのため、実装の際は相違点について確認することを強くお勧めします。
参考:公式ヘルプ ChromeOS Flex と ChromeOS の違い
活用場面
Chrome OS Flex が活用できる場面をいくつかご紹介します。
- Chrome OS がどんなものか試してみたい
- すぐに買い替えができない時(デバイスの更新時期ではない・年度区切りまで待機など)でも 最新の Chrome OS を使いたい
- 故障はしていないが型落ちになったデバイスを再生させたい
- 退職した人員のデバイスを初期化して再利用しているが、動作が重たいので快適にしたい
- 既存のデバイスをキオスクやデジタルサイネージなどの専用デバイスとして利用したい
- クラウドベースの管理ツールを使った最新のコンピューティングを試したい
このように、Chrome OS Flex を導入すると、既存のデバイスの可能性を広げることができます。
既存のデバイスに対して ChromeOS Flex による「新しい使い道」をすることで、最新環境実装のコストダウンと資源の有効活用の両方を手に入れることができるのです。
実装
Chrome OS Flex の実装対象
Chrome OS Flex は、認定モデルのリストに掲載されているデバイスへの実装が推奨されています。
しかし、 リストにないモデルについても、Chrome OS Flex をインストールすることは可能 です。
その場合、予期せぬ問題が発生する可能性があり、保証やサポートの対象外となっていることにご留意ください。
認定モデルのリストとデバイスの最小要件については、公式ヘルプ 認定モデルリスト(英語) にてご確認ください。
実装に必要なもの
Chrome OS Flex の実装に必要なものは以下の3点です。
- USB インストーラを作成するデバイス
- インストーラーを作成するデバイスは、最新バージョンの Chrome ブラウザを搭載している必要があります。
- このデバイスは、ChromeOS Flex をインストールするデバイスでなくてかまいません。
- 8 GB 以上の空き容量があるUSB ドライブ
- インストーラーを作成すると、USB 上のデータは消去されます。
- SanDiskなど、一部のUSB ドライブは機能しないことがあります。
- ChromeOS Flex をインストールするデバイス
- ChromeOS Flex の導入要件 を満たしていることを確認してください。
- インストールのために USB を認識できる必要があります。
上記 を用いて、Chrome OS Flex を実装します。
用意ができたら、(1) USB ドライブに ChromeOS Flex のインストールファイルを作成、(2) 対象のデバイスに展開 (3)既存の OS と置き換える ことで実装作業は完了します。
要件や、インストールの詳細については、Chrome OS Flex 公式ヘルプ インストールを準備する よりご確認ください。
まとめ
古くなったデバイスを我慢して使うことによる余計な時間とコストは、ひとつひとつは小さくても積み重なっていけば大きな無駄になります。
費用を抑え、既存のデバイスを再利用し、最新の環境が利用できる Chrome OS Flex は、そうした悩みを一挙に解決してくれます。
Chrome Enterprise Upgrade/Chrome Education Upgrade(CEU)と併せて利用することで、悩みの解決プラス一歩先の管理の実現も可能です。
関連:Chrome OS Flex と CEU を併用するメリット
既存デバイスの利活用をし、Chrome OS Flex を使った快適な業務環境の構築をご検討ください。